うつ病の基礎とマメ知識

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強い不安や恐怖を感じる「パニック障害」はうつ病と併発することも

気持ちが沈みがちになる、わけもなくイライラする、食欲がなくなってきた、不眠の症状がある、死にたいと思うことがある・・・これらは「うつ病」の特徴的な症状です。

精神疾患の一つであるうつ病は、現代を生きる私達にとって非常に身近な病気となっています。そして、このようなうつ病と併発して起こりやすいのが「パニック障害」です。

パニック障害を発症してからうつ病を併発する人もいれば、うつ病を発症してからパニック障害の症状が起きる人もいるので、症状の発症段階は人それぞれですが、どちらも現代人に現れやすい精神疾患として知られています。

では、パニック障害とは具体的にはどのような症状が現われる病気なのでしょうか?ここからはパニック障害について詳しく見ていくことにしましょう。

パニック障害は、強い不安感や恐怖感に襲われ、めまいや動悸、手の震えやしびれなどの症状が併せて現れる精神疾患です。症状の始まりは何が原因となったわけではなく現われる「パニック発作」で、上記に挙げたような症状が現われます。

このような症状が一度現れると「また同じような状態になるのではないか」という不安感に襲われるようになり、初めて発作が起きた状況と同じ状況を体験することで再度発作が起きることから、繰り返し症状に悩まされることになります。

これは「予期不安」と呼ばれるもので、発作が起きることの恐怖感が不安として現れ、動悸やめまいといったパニック発作が起きてしまうのです。

また、パニック発作の症状が繰り返し長期的に続くと「広場恐怖症」が現れることも多く見られています。

「人がたくさん集まる場所で発作が起きたらどうしよう」「外出先で発作が起きて倒れてしまったらどうしよう」といったように、外で発作が起きてしまった場合のことを考えて不安を感じ、意識的に外出を避けてしまうことも少なくありません。

具体例としては、電車やバス、映画館や劇場といった閉鎖された空間が挙げられます。

パニック障害はひどい場合は外に一切出られなくなってしまうこともあるため、仕事もままならず、生活に様々な支障を来すこともあります。

発作が起きるたびに「自分は死んでしまうのではないか?」という恐怖に襲われることもあるので、発作自体への不安感や恐怖感を上手くコントロールしていくことが重要な治療となります。

もちろん、うつ病のように薬物療法も行なわれていますが、認知行動療法についてはうつ病以上に重要視されています。

中でも「暴露療法」と呼ばれる治療法では、不安や恐怖を感じる状況に自ら身を置くことで徐々に状況に慣れていくことで、パニック発作を克服していくことが可能となっています。

パニック障害もうつ病と同様に適切な治療を行なうことによって克服していくことができる病気ですので、医師や家族・友人など周囲の人々の力を借りながら、パニック発作が起こらないよう症状を改善させていきましょう。

気分の落ち込みと気分の高揚感が交互に現われる「双極性障害」とは

気分の落ち込みが激しい時と気分の高揚が激しい時がある、これが「双極性障害」の主な特徴になります。以前は「躁うつ病」とも呼ばれていた病気ですが、現在は双極性障害の名称で診断されています。

では、双極性障害とは一体どのような病気なのでしょうか?うつ病の一種ではあるのですが、一般的に知られている「単極性」のうつ病とは違って、気分が異常に高揚してしまう症状が現われることが特徴となっています。

単極性のうつ病の場合は、憂うつ感や気分の激しい落ち込みが現われることがほとんどで、基本的にはうつ状態になっていることが多く見られます。

しかし、双極性障害は気分の落ち込みと気分の高揚感が交互に繰り替えし現れることになるため、単極性のうつ病とはまた違ったタイプのうつ病となっています。

つまり、うつ状態と躁状態を繰り返してしまうわけですが、端から見ると単なる気まぐれな性格をしている人、と思われてしまうことも少なくありません。

単極性のうつ病である場合は、うつ状態に陥ることがほとんどなので自分自身でもうつ病を発症している自覚がある人は多く見られますし、病院でのうつ病治療も受けることができます。

もちろん双極性障害の場合もうつ状態になっている時はありますが、躁状態になっていると自分がうつ病であることを認めようとしないことがあります。躁状態になっていると気分が良く、身体の調子も良いので、うつ病を発症しているとうい自覚がないのです。

また、うつ状態になると自分が躁状態になっている時のことを思い出して塞ぎがちになる人もいますし、躁状態だった時のことを忘れてしまっているケースも見られています。

一般的に見られている躁状態の特徴としては、自尊心が大きくなって「自分は何でもできるんだ」と思うようになる、睡眠を取らなくても活動ができる、落ち着きがなくなる、活動量が増えるが破壊的衝動も強くなる、性欲が高まる、お金を一気にたくさん使うようになる、誰彼構わずしゃべったり電話をしたりする、話の内容が支離滅裂になるなど、様々な症状が見られるようになります。

こうした躁状態と気分が激しく落ち込むうつ状態を繰り返していく症状が現われるので、薬物療法で用いられる薬についても、単極性うつ病とはまた違った薬が使用されています。

単極性のうつ病には「抗うつ剤」を使用することが効果的とされていますが、双極性障害の場合は「気分安定薬」や「抗精神病薬」によって症状を落ち着かせていきます。

双極性障害にもうつ状態は引き起こるので、うつ状態を改善させることも必要なのですが、抗うつ剤を使用することによって躁状態の悪化する恐れがあるため、双極性障害の患者に抗うつ剤を使用場合は慎重に行なう必要があると考えられています。

双極性障害は気分安定薬によって再発を予防することもできるので、処方された薬を医師の指示に従って服用することから治療を始めていきましょう。

仕事はうつ・プライベートは元気、複雑な症状が現れる「新型うつ病」

従来型のうつ病は憂うつ感に襲われて気分が落ち込みがちになる、食欲不振になる、夜眠れなくて不眠の症状が現われる、自分自身にイライラして責めてしまう、死にたくなるなどの症状が見られることが特徴的でしたが、近年増加してきている「新型うつ病」の場合は、従来型のうつ病とは異なり少し複雑な症状が現れます。

新型うつ病は「現代型のうつ病」とも呼ばれ、20代や30代の若年層に見られるうつ病として知られるようになりました。

従来型のうつ病は働き盛りの年代が発症することが多かったのですが、新型うつ病はまだ会社に入りたての20代や、徐々に責任感を持たされるようになってくる30代を中心に見られることが大きな特徴です。

そして、新型うつ病はその症状もまた複雑なものとなっています。先ほども挙げたように、従来型のうつ病では憂うつ感・食欲不振・不眠・自責などの症状が主に見られるのですが、新型うつ病の場合全く逆の症状が現われるようになります。

例えば、憂うつ感が長期的に続く従来型のうつ病に対し、新型うつ病はうつ状態の場合とそうではない場合が交互に現れることが特徴的です。

躁状態とうつ状態を繰り返す「双極性障害」とも異なる症状なので、うつ病という自覚症状がない場合も珍しくありません。

新型うつ病は特に仕事の時はうつ状態になる、プライベートではうつ状態になることなく通常どおり元気な生活が送れる、といったような患者が多く、このようなことから「会社が嫌いなだけ」「仕事をさぼりたいだけ」「怠けているだけ」という印象を持たれてしまうことも少なくないのです。

誰でも会社に行きたくない、仕事をさぼりたい、と思うことはありますが、このような状態が長期化している場合は、新型うつ病を発症していることを疑った方が良いかもしれません。

また、新型うつ病の場合は怒りを自分に向けず、他人に向けることも特徴となっています。

従来型のうつ病では、悪いのは自分だと思い込み、自分を責めてしまう症状が見られていましたが、新型うつ病の場合は自分を責めるのではなく、他人や社会を責める傾向が強いと考えられています。

仕事ができないのは上司や先輩がしっかり教えてくれないからだ、こんな会社で働いているから自分はダメになったんだ、などといったように自分を責めずに他人を責める傾向が見られているのです。

従来型のうつ病には見られないため、性格的なものと捉えられてしまうこともありますが、何事に対しても他人や社会のせいにする傾向がある場合は、新型うつ病を発症している恐れが高いでしょう。

その他にも食欲不振ではなく食欲が旺盛になる、不眠ではなく眠りすぎてしまうなど、全く正反対の症状が現れることもありますし、夕方になるにつれて辛くなってくるという点も従来型のうつ病とは真逆の症状です。

新型うつ病は増加傾向にありますので、少しでもおかしいと思ったらすぐに医師に相談してみましょう。

早めの段階で症状に気付くことが大切、うつ病のセルフチェック

「うつ病」は様々ある精神疾患の一つです。パニック障害などと併発することもありますし、うつ病を発症することによって普段の生活にも様々な影響が及ぶようになります。

発症の原因としては、主に心因的な問題と脳内物質の不足などが挙げられ、薬物療法や認知行動療法によって治療をしていくことで症状を改善させていくことができます。

うつ病は治らない病気ではありませんので、自分の症状としっかりと向き合い、適切な治療を続けていくことが大切です。そこで、まずはうつ病の症状に早めに気付くことが必要となります。

うつ病は早めに対処することで軽度の状態で済みますから、ここではうつ病の疑いがある様々な症状について見ていきたいと思います。

症状をチェックすることでうつ病の症状に早く気付くことができるので、自分だけではなく、家族や友人など周りの人にも同じような症状が現れている場合はよく見てあげるようにしてください。

うつ病の疑いが感じられる症状には、主に心因的な症状と身体的な症状とに分けることができます。まずは心因的な症状ですが、うつ病特有の症状の一つに、憂うつ感や不安感が挙げられます。

何をしても楽しくない、勉強や仕事に対するやる気が出ないなど、常に憂うつ感がつきまとうようになってしまっている場合は、うつ病を発症している疑いが高く見られます。

もちろん、誰でも憂うつな気持ちになることはありますが、うつ病の場合はこの憂うつ感が2週間以上と長期に渡って見られることが特徴的となっています。

1日や2日程度などちょっとした気分の落ち込みは誰しも経験があるものですので、そのような場合はうつ病を発症している恐れは少ないでしょう。

憂うつ感が長く続いているようであれば、一度心療内科などで診てもらうことをおすすめします。

その他にも心因的な症状としては、なんとなくイライラする、集中力がなくなる、死にたい・自分なんて必要のない人間なんだと思うようになるなどの症状が挙げられますが、このような症状が長く続くような場合もうつ病を疑ってみた方が良いでしょう。

ちょっとしたイライラや集中力の低下は、ストレスなどが関係していることもあるので、ストレスを解消することで症状が緩和されることもありますが、うつ病を発症している場合はストレスを発散するための楽しみに対しても「楽しい」とか「おもしろい」と感じられなくなってしまいます。

早めの段階で気付くことが大切なので、家族や友人にこのような症状が見られる場合にも早めに医師に診せるようにしてください。

そして、身体的な症状としては食欲不振、睡眠障害、性欲が落ちる、頭が痛くなるなどの症状が主に挙げられます。

朝早く目が覚めてしまう、夜になると眠れなくなる、食べることに対して興味がなくなる、身体がだるく倦怠感が続くような場合も、うつ病の症状の一つと見られることがありますので、身体的な症状の変化にもよく注意しておくようにしましょう。

うつ病でも入れる保険はある?病院でうつ病の治療を受ける時の注意

現在は様々な保険会社があり、それぞれに合ったプランで保険に加入することができるようになっています。しかし、うつ病をはじめとした精神疾患を発症している場合は、保険に加入することは大変難しくなっています。

ガン保険の場合は精神疾患とは無関係であるため、うつ病を発症していても加入することはできますが、一般的な生命保険には加入することはできません。

中には審査に通れば加入できる、という保険会社もありますが、基本的にうつ病の発症後は保険に加入できないことが現状となっています。

ただし、うつ病を発症する以前に加入した保険であれば問題はありません。問題はうつ病であることを隠して保険に加入してしまうことです。

うつ病を隠して保険に加入できたとしても、支払いの際に全て分かってしまうことなので、保険に加入したい場合でもそのようなことは絶対にやめましょう。

また、うつ病として病院に通う直前に保険に加入した場合も注意が必要です。保険に加入した当時、既にうつ病を発症していたのではないか?と疑いをかけられてしまう場合もあります。

こうしてうつ病の保険について見てみると、病院に行くか?保険に入るか?といった二択に悩まされることになりますが、悩みが増えてしまうことでさらにうつ病の症状は悪化してしまうことがあります。

うつ病は真面目な性格の人ほど発症しやすいため、物事に対して必要以上に悩んでしまう性格の人は、うつ病をこれ以上悪化させないためにも悩みに関する負担を減らしていくことが大切です。

そこでまず必要なことは、保険に入るよりもうつ病を治療するための病院に行くことになります。保険に加入できるかできないか、という問題よりも、うつ病を治したいか治したくないか、といった問題を先に解決する必要があります。

うつ病は早めに対処をすることで症状も軽く済みますし、症状の進行を食い止めることもできます。症状を改善させたいのであれば、すぐに心療内科や精神科がある病院に行って専門の医師に診てもらいましょう。

また、うつ病で病院に通院する場合は健康保険が適用されますので、治療費についてはそれほど高い料金にはなりません。

皆さんは3割負担することになりますので、初診の場合は診察にかかる料金と処方される薬にかかる料金を併せても、3000円程度で済みます。継続して病院に通う場合でも受診料は2500円程度となっています。

ただし、診察や薬の処方だけではなく、カウンセリングを受ける場合は保険は適用外です。カウンセリングを専門に行なっている場合のカウンセリング料は1万円以内には押さえられますが、保険が適用されないため皆さんが全額負担することになりますので、その点には注意しておきましょう。

病院によっては無料でカウンセリングを受けられるところもkありますから、治療費の負担を少しでも軽くするためにも、患者の側に立った治療を受けられる病院探してみてください。

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