アダルトチルドレン

生きづらさを抱えて生きる『アダルトチルドレン』とうつのリスク

あなたは『アダルトチルドレン』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
『アダルトチルドレン』と呼ばれる人たちは、一般の人よりうつ病にかかるリスクが高いと言われています。
ですが日本ではその言葉の意味を誤解している人も多く、アダルトチルドレンがどういうものなのかきちんと把握している人は、当事者以外にはまだまだ少ないと言えるでしょう。
そんなアダルトチルドレンのことを、今回は知って欲しいと思います。

(アダルトチルドレン=大人になりきれない人、は大きな間違い)
その言葉のニュアンスから、日本ではアダルトチルドレンのことを『大人になりきれない子供っぽい人』のことだと認識している人が数多くいます。
ですがこれは大きな誤解。本来のアダルトチルドレンの意味とは全く違います。
アダルトチルドレンは『子供っぽい大人』ではなくむしろその逆、あえて訳するなら『大人のような子供時代を送った人』。
親のアルコール依存や虐待、過干渉などの問題を抱え、本来の家族の機能を十分に果たせない『機能不全家族』と呼ばれる家庭の中で育ったために、子供時代を子供らしく過ごせないまま大人になった人のことです。
本来子供は親に保護され、我侭を言ったり甘えたり、泣いたり笑ったりしながら成長していくもの。
ですが家族内で問題を抱えているため、親からの保護が期待できず、もしくは過剰に干渉されるなどして、子供らしい感情を押さえつけて表に出せないまま育ったアダルトチルドレンは、子供時代のトラウマを大人になっても抱え続けるのです。

(アダルトチルドレンって病気なの?)
アダルトチルドレンは心の病気ではありません。
病気というよりも物事の捉え方が歪んでいる『認知の歪み』を抱えた心の状態と言えるでしょう。
アダルトチルドレンの認知の歪みとは、例えば目の前に赤いチューリップがあるとして、多くの人がそれを見て『赤いチューリップだ、綺麗だな』と認識している時に、『ここの花びらの形が悪いから捨てられるかもしれない』などと認識してしまう状態のこと。
物事の見方がマイナス方向に歪んで傾いているのです。
病気ではありませんが、より生きやすくカウンセリングや認知療法などで改善していくことが望まれます。

(アダルトチルドレンの特徴って?)
病気ではないとは言え、アダルトチルドレンは抱えたトラウマの種類などにより、様々な症状に苦しんでいます。
何もかもを自分のせいにする傾向があり、自分を守るために何度も嘘を吐いてしまう、自分を抑えていつも回りに合わせてしまう、自己評価が極端に低いなどがその主だったもの。
また、他人の目をひどく気にしてぎくしゃくと行動してしまうことも多いです。
これらの根源には、親の愛情不足、もしくは条件つきの愛情しか注がれなかった子供時代の経験があります。
またそれゆえ、アダルトチルドレンの多くは『自分に自信が持てない』ことでつらい思いをしています。

(アダルトチルドレンはうつ病になりやすい!?)
アダルトチルドレンはその認知の歪み故に、うつ病をはじめ様々な心の病気を発症するリスクが高いと言えます。
親の愛情を受けたいが故に頑張りすぎてしまった過去があり、大人になっても嫌なことを嫌と言えなかったり、相手の信頼を得るために頑張りすぎるなど、『うつ病になりやすい人』である傾向にあるからです。
そもそもアダルトチルドレンの特徴は、うつの精神症状に非常によく似ています。
アダルトチルドレンが全てうつ病にかかるわけではありませんが、一般の人よりも注意したほうが良いのは事実です。

(アダルトチルドレンを克服するには?)
アダルトチルドレンを克服することは、本人がより生きやすくなると共に、認知の歪みが改善されてうつ病のリスクを減らすことにも繋がります。
それにはまず、自分の状態をよく知ること。自覚がなければ改善しようもありません。
そして過去の自分とじっくり向かい合い、認知の歪みに気付いてゆくことが必要ですが、何でもひとりで抱え込みがちなアダルトチルドレンにとって、その作業はとてもつらいもの。
できることなら専門の医師かカウンセラーの手を借りて、時間をかけて改善していったほうがいいでしょう。

アダルトチルドレンがうつ病にかかってしまうと、認知の歪みが強くあるせいで治りも遅く、再発の危険も大いに孕んでいます。
自分らしくより生きやすくなるためにも、うつ病のリスクを減らすためにも、アダルトチルドレンの克服は大変重要なことと言えますね。