うつ病患者を抱える家族のあり方

引きずられたらダメ絶対!うつ病患者の家族として気をつけたいこと

家族の誰かがうつになったら、もちろん家族としてそれを支え、手助けしていきたい、どうにかしてあげたい、そんな気持ちになる人は多いことでしょう。ですが深入りしすぎると、家族全員総うつ病という危険もはらんでいることを、あなたは知っていますか?

全てを抱え込まない、それが一番大事

つい先日まで三食きちんと食べ、仕事にも行っていた……そんな家族が部屋に篭ったり布団に寝込んで動かなくなったりすることに、始めは誰もが戸惑うでしょう。寝たきりのうつ病患者となった家族を見て、どうにかしなければと使命感に駆られることも少なくないと思います。ですがあれもこれも、家族がしてあげなければ!と気負いすぎることは厳禁です。

専門の知識がないまま、うつ病の患者と接することは大変なことで、時に接する側に大きなストレスがかかります。特に「なんとかしなくては」と気負ってしまう人は、なかなか回復しない家族に対して「どうしていつまでも治らないのか」という苛立ちと、「家族としてのあり方が間違ってたのでは」「こうなる前にもっと何かできなかったのか」という自責でストレスを感じやすく、気がつけば自分が介護うつに陥っていた……という可能性も大いにありえるのです。

うつ病は伝染する病気ではありませんが、周囲がそれに引きずられてうつになることは考えられます。患者のことを気負うのはほどほどに、何もかもを家族だけで抱え込まないことが最重要と言えます。

まずはうつ病についての正しい知識を得る

家族がうつになってしまったら、まずうつ病とはどんなものか知ることから始めましょう。その時、一般的に言われる「頑張れは禁句」のようなうつ病患者への対処マニュアル的なものも、ただやるべきことを知るだけでなく「何故そうする必要があるのか」まで深く突っ込んで理解することが大切です。「どうしてかはわからないけど、こうすべきらしい」と「こういうことがよくないから、こうしたほうがよい」とでは、どちらが臨機応変に対応できるか、比べるまでもないでしょう。

正しい知識は引くべき時を見定める基準ともなり、結果自分を守ることにも繋がります。よくわからないまま闇雲にあれもこれもと走り回っては無駄に疲れてストレスを溜めるだけになってしまいます。

分担し、任せるべきは専門家へ任せる

家族の中で、例えば母親だけが患者の介護をしているような状態だと、一人だけに負担が偏りやがてストレスを溜めた母親まで、患者に引きずられてうつを発症しかねません。できることなら家族で役割分担し、特定の誰かだけに負担がいかないよう心がけましょう。

また、任せるべきところは専門家に一任したほうが良いです。特に患者のカウンセリング的な部分は知識のない人が行うことは難しい上、話を聞くほうにも相当のストレスがかかります。専門家でない人が下手に患者の心の内をあれこれ聞き出そうとはしないほうが懸命です。場合によっては患者の症状が悪化してしまうことすらあります。家族にできるのは治療ではなくあくまでもサポート。とはいえあれこれ手出しすればいいというものではなく、時には距離をおくこともサポートの一種であると心得ましょう。

適度な息抜きを欠かさない

うつ病患者のストレスを軽減することは大切ですが、同様に患者を抱える家族のストレスについても考えなければなりません。家族のストレスが溜まり共倒れを防ぐためにも、時には患者から離れて生き抜きをすることは、大変重要です。病気の家族のことが気がかりでも、趣味に打ち込んだりスポーツをしたりなど、自分の楽しみは見失わないようにしましょう。「自分達だけ楽しんで悪いな」という気持ちが生まれるかもしれませんが、そこは切り離して考えるべきことです。

家族が患者のためにできること

では、家族にできることとは何でしょうか。それは先にも述べたように患者のサポートです。例えば通院に付き添う、服薬の管理をする、できるだけ静かな環境を整えて患者がゆっくり休養できるようにするなど、患者がうつを治療するのに必要なことを手助けする立ち位置です。それを崩さず、適度な距離感を持って接するよう心がけましょう。