うつで強張った表情筋を動かす大切さ

笑えなくなったら要注意!うつで顔が動かなくなる?

うつ病にかかると、人と会話することが億劫になり部屋や布団に篭ったり、口数が少なくなったりするのはよくあること。表情が乏しくなり、顔を動かす回数が極端に減ってしまうわけですが、そのような状態が続くと、どのような影響があるのでしょうか。

「笑えない」から始まる表情筋の衰え

口数が減り、笑ったり怒ったりなどの感情の乏しくなれば、当然その表情もどんどん失われていきます。そんな人がふと、久しぶりに笑ったりしてみると、顔が動かしにくいなどの違和感を感じることがあります。人の顔には表情筋と呼ばれる筋肉がありますが、実を言うとそれは使わないでいるとどんどん衰えていくのです。

さらに、脳の機能が衰えると表情が固まってしまうこともあります。うつ病患者の表情が乏しくなるのは、心が憂鬱で笑うことが少なくなるなどの他に、脳内物質のバランスが崩れ脳の機能が低下しているせいでもあります。ためしにちょっと、口角を上げて笑顔を作ってみてください。顔が引きつったようになる、筋肉がぎしぎし音を立てるような感じがするようなら要注意。あなたの笑顔は大丈夫でしょうか?

表情が乏しくなると起きること

表情筋が動きづらくなると、コミュニケーションが取りづらくなることが多々あります。人は会話する時、お互いの声のトーンや仕草の他に、相手の表情でその心を掴もうとします。その表情が乏しくなると、何を考えているのかわからない、不機嫌そうなどとマイナスのイメージがついてしまい、近寄りがたい人としてコミュニケーションを避けられがちになることも。ただでさえ孤独を抱えがちなうつ病の人が、ますます孤独になってしまう状況に陥ります。

また、表情筋が動かしにくくなることで、会話そのものがしづらくなることも。口を開けづらくなったり、スムーズに動かしにくくなることがその原因です。うまく会話できないことが原因で人との接触を恐れるようになり、うつ病の人はどんどん殻に閉じこもってしまうケースもあり、注意が必要です。表情は私たちの思う以上に重要な役割を果たしているのです。

表情を作ることで脳を活性化させよう

脳と表情筋は連動しており、脳の衰えで表情が動かなくなるのとは逆に、表情を動かすことで脳を活性化させることもできます。うつ病で笑顔が絶え、表情も乏しくなりがちな人は、一日数回、三分ほどでも構わないので意図的に口角を上げて笑顔を作る、大きく口を開けたり閉じたりする、大げさにもぐもぐと口を動かす動作をするなど、顔の筋肉を動かすようにしてみて下さい。

声は出さなくてもいいですので、大声を出すイメージでゆっくりと「いー」と続けて言ってみるのもいいでしょう。口の形が自然と笑顔を作るので、無理に笑うのは抵抗がある、意識しても笑えないという方にもこの方法はお勧めです。ほかの事をしながらでも、憂鬱で布団に寝たままでも構いません。人に見られたら恥ずかしいとお思いの方が多いでしょうから、一人になれる時にまずはやってみて下さい。

うつ病になると意図的に表情を動かそうとしなければ、なかなか顔の筋肉は動きません。表情が緩めば心も緩み、うつで萎縮し鉛のようになってしまった心にも、一陣の風が舞い込むことでしょう。小さなことかもしれませんが、普段からの心がけひとつで表情筋の硬化を防ぐことができ、またうつ病で鈍った脳を少しでも元気よくすることができるのです。

要注意!怖い脳の病気かも……?

ところで、表情を作りづらい、顔の筋肉を動かしづらいといった症状には、時に恐ろしい脳の症状が隠されていることがあります。酷い場合は無表情の状態も保っていられなくなったり、目や口が閉じられなくなるといったケースも。そんな時はうつ病からの症状ではなく、脳の病気を疑って下さい。脳内出血や脳梗塞、脳腫瘍で脳の一部分が圧迫され、筋肉ではなく顔の神経が麻痺してしまっている可能性があります。

うつ病による表情の硬化は、あくまでも「動かしにくいな」「ぎこちないな」という範囲に留まります。思うように動かすことすらできないといった重い症状の時は、脳神経科などの専門医のもとへ急ぎましょう。