評価

あなたはちゃんと『評価』できてる?うつの心を生まない評価術

家庭、学校、会社……様々な場所で、『人が人を評価する』行為は行われます。
ですがこの『評価』というのは非常に曲者で、一歩間違うと他人をうつにしかねない危険なもの。
逆に上手に評価することで相手の自信をより引き出し、うつに強い心を育てることもできます。
親である人、教師、上司などの立場であるあなた、評価すべき相手をきちんと評価できていますか?
どのような評価の仕方がうつを生み出してしまうのか、自分の経験からお話したいと思います。

(『過程』を評価されないと心はうつに傾いてしまう)
私自身の過去を例にとってお話します。
親は私を褒める時、『おまえは頭が良い』『何でもできる』と言い続けました。
その言葉を信じて私は勉強に励んでいたわけですが、いつの頃からかその励ましは私の心に『私は頭が良くなくてはいけない』『私は何でもできなくてはいけない』と、響くようになっていきました。
私がどんなに勉強をしていても、親はその過程を全く褒めようとせず、私は、求められているのは『結果』だと思い込むように。
『頑張ったね』という言葉を知らずに育った私は、失敗を極端に恐れる大人となり、また失敗を恐れるあまり行動を起こせない、気の利かない社会人になってしまいました。
ここで注目したいのが、『頑張ったね』という言葉を知らない、という点です。
頑張った結果得られたものばかりを褒め、その過程を無視するということは、相手の心に『結果だけを求められている』『その結果にこそ価値がある』という考えを植えつけてしまいます。
それは逆に言うと、結果を出せない自分には何の価値もない、結果が出せる人がいれば自分はこの場に必要がない、という考えに。
人は失敗をしながら成長していくものですが、その失敗すら許されないことだと思い込むようになっていくのです。
そんな考え方で生きていたら、人はどうなるでしょうか。
次第に自分を追い込み、自分の価値を見失って心はどんどんうつへと傾いていくのです。

(大切なのは相手の『努力』を評価すること)
では、相手をうつに追い込まない評価の仕方とはどんなものでしょうか?
それは『努力・過程の評価』をすること。
結果主義になりがちな現代社会では、この大事な部分がすっぽりと抜け落ちていることが多々あります。
『結果』として生まれた物事には、必ずそれに至るまでの『過程』があること、心にちゃんと留めてありますか?
そしてその『過程』こそが、人が努力をしている部分。結果はあくまで一瞬のもので、そこに至る過程こそが人が悩み、耐え、頑張りを見せている部分なのです。
そこをないがしろにして結果だけしか見ないのであれば、相手の人格や努力などには全く目を向けていないことになります。
しかし人が『認められたい』と望む時、見てほしいのはまさにその人格や努力の部分。ここに大きなすれ違いが生じてしまうのです。
結果はどうあれ、その人が努力した結果生まれたものであるなら、『頑張ったね』とそこは評価すべきです。
例えば悪い結果だったとしても『結果は残念だったけど、よく頑張った』と言われれば、次の機会にまたがんばろうという気持ちになれるもの。
そうした相手の自尊心を損なわない評価の仕方は、人の心を明るく育て、うつに強い心をつくることができます。

(うつの人を元気づける『頑張ったね』)
この、過程を評価するやり方は、今現在うつ病に苦しむ人への声かけとしても有効です。
うつ病の人はそれまで一人、頑張って頑張って、その結果うつ病となってしまったケースが多いわけですが、その『頑張った部分』を他人に評価されていることは少ないです。
ですので、『今までよく頑張ったね』という評価は、うつ病にかかり自分には価値がないと思い込んでいる人に、『あなたの頑張りはちゃんとわかっているよ』と伝える意味合いで良いと言えます。
『今まで頑張ったんだから休んでもいいんだよ』と、うつで休養することに罪悪感を覚えがちな患者の心を軽くするような声かけも、効果的と言えるでしょう。

家族の、生徒の、部下のうつ……実はあなたが作り出していませんか?
もう一度自分の他人に対する評価の仕方を見つめなおし、是非相手の努力を認める評価をしてあげてください。