仮面

うつにならないうつ病がある!?『仮面うつ病』の怖さとは

何だかいつまでも疲れが抜けない、最近よく眠れない、頭痛や肩こりがひどい……そんな症状が続くとき、実はあなたの近くにうつ病の影が迫っているかもしれません。
えっ、別に憂鬱な気持ちになったりしないけど……という方、実は『うつにならないうつ病』があることをご存知ですか?
今日はそんな隠れたうつ病、『仮面うつ病』の怖さについてお話しようと思います。

(仮面うつ病ってどんな病気?)
『仮面うつ病』というと、なんだか言葉のニュアンス的にうつ病のようでうつ病でない、そんな印象を受けますが、実態はその逆。
『身体症状に隠されて、従来のうつ病の精神症状が出ないうつ病』が仮面うつ病です。
一般的にうつ病といえば、気分が落ち込んだりやる気がなくなったりなど、精神面の症状がよく知られています。
しかし仮面うつ病は、それらよりも体の症状、不眠や疲労感、頭痛などが前面に押し出され、精神面の症状はあまり現れません。
精神面の症状が体の症状という仮面で隠されたうつ病、と言えます。
心の症状が現れないため、精神的には辛くないのでは?と思われるかもしれませんが、体の不調が続くとやはり精神面でも辛いですし、何より無意識の下で心は悲鳴をあげているのに本人は気がつかないという、大変辛い状態にあります。

(どんな症状があるの?)
仮面うつ病は前述のとおり、主に身体症状が現れるうつ病です。
頭痛や肩こり、めまいや食欲不振など、一般的に『疲れてるな』と思うときに見られる身体症状が多いです。
きちんと休養を取っているのにいつまでも疲れが取れない、場合によっては不眠を訴える人もおり、その症状は様々です。
精神症状はほとんど現れないことが多いですが、日常的に行っている習慣を面倒に感じるなど、少しですが心が疲れたサインも見られます。
しかし残念ながら、そのサインに気がつくことができる患者、もしくは周囲の人はまれと言っていいでしょう。

(仮面うつ病の怖いところ)
仮面うつ病の怖いところは、不調の根源であるうつ病を見抜くのが遅れがちになる点です。
一般的に知られるうつ病の気分的な症状が出ないまま、体の不調だけが続くため、患者自身も隠れたうつ病に気付きにくいのです。
最近ずっとだるい、不調が続くと思ってもまさかうつ病だとは思わず、内科など体の病院へかかり、そこで検査をしても原因不明もしくは異常なし。場合によっては自律神経失調症など他の病名をつけられることも。
そうなると患者は適切な治療をいつまでも受けられず、またはどこへ行っても原因不明や異常なしで途方にくれてしまうことに……。
さらに、本人だけでなく周囲もそれがうつ病であるとは非常に気付きにくいため、うつ病患者へのNG行為……むやみに励ましたり、言ってはいけない言葉をかけたりして、周囲が病気を悪化させてしまう場合もあります。
気付かぬうちに病気が進行し、いつしかその『体の病気』の仮面が外れて従来型のうつ病に移行することも……。
うつ病は患者本人、もしくは周囲がいかに早くその病気に気がつき、治療を開始するかでその後の進行がかなり違います。
ですが仮面うつ病は患者自身も周囲も、それがうつ病であると気付きづらく、気がついたら重症化していることも少なくありません。

(『仮面』でないかと疑うことが大切)
体の不調が続き内科などへかかっても原因不明……大切なのはここで放っておかないことです。
『原因不明なら疲れから出たんだろう』『そのうち治るだろう』と安易に考えず、最近ストレスになっていることはないか、つらいと感じる出来事はないか自分に問いかけてみましょう。
複数の病院にかかっても不明とされるような体の症状が数週間続くなら、内科ではなく『心療内科』の受診をお勧めします。
身体的な症状が前面に出ているだけで、仮面うつ病も心療内科や精神科の範疇です。
また、従来型のうつ病と同じく、投薬や休養などの治療が必要ですので、できるだけ早く専門医に診てもらうことが大切になってきます。
何でもないのに不調が続くことはありません。そこには何らかの原因があるのです。
ただ体が疲労しているだけなのか、その裏側に心の問題が隠れているのか……自分自身では気付けないことも多いですので、不調続きのときはより自分を大切に、自分の心に注目しておきたいですね。