うつ病治療の基本三項目について

うつ病治療の基本はこれ!欠かせない治療の「三本柱」って?

うつ病を治すためにはまず休養、と言われますが、ただ休んでいるだけでよくなるわけではありません。休養のほかに行われるべき三つの大きな「治療の柱」があるのです。では、その三つの柱ってどんなものなのでしょうか。

その1・投薬

うつの治療として欠かせないのが投薬治療です。うつ病になると、セロトニン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど、脳の神経伝達物質が減少し、ストレスを溜めやすくなったり意欲がなくなったりします。それを薬で補うのが投薬治療です。投薬治療はほとんどの心療内科、精神科でうつ病の治療として行われています。

投薬の注意点として、医師の指示に必ず従うことがまず上げられます。また、抗うつ剤など治療に使われる薬は、飲み始めてから効果が現れ始めるまでに二週間から一ヶ月ほどかかるため、飲んですぐ効果がないからといって勝手に投薬を止めないようにしましょう。これはうつ病の治りかけの時にも言えること。「もう治ったから」「大丈夫だから」と医師に相談なく勝手に薬を止めてしまうと、せっかく治りかけたうつの症状が再燃してしまったり、場合によっては薬を急に止めたことによる副作用が起きてしまうこともあります。

投薬には副作用がつきものです。これはどの薬を飲んでも起こりえることで、うつ病だからといって構える必要はありませんが、服薬を始めてから体調に異変を感じた時は、すぐ医師に相談するようにしましょう。うつ病の薬は合う合わないの個人差が大きいため、別の薬を試すなどの対処が必要です。

その2・考え方の矯正

投薬と違ってあまり注目されませんが、大変重要なのがこの「考え方の矯正」です。うつ病にかかりやすい人は、共通する「考え方の癖」のようなものを持っています。様々な出来事を悲観的に捉えてしまったり、無関係なことを自分に関連づけて自分のせいだと思い込んだり……このような考え方の癖を「認知の歪み」といいますが、これは薬では治りません。十分なカウンセリングや、認知療法、精神療法などといった治療を受け、改善していく必要があります。

たとえ一度うつ病が治ったとしても、この「認知の歪み」がある限り、うつ病を非常に再発しやすいのが現状です。同じ出来事を体験してもうつになる人、ならない人がいるのは明らかですが、認知の歪みのあるなしに左右されるからです。

「考え方を矯正する」と言われると、今までの自分が間違った生き方をしてきたような、自分を否定されるような気持ちになるかもしれません。ですが、何もあなたの人格そのものを否定しているのではなく、「もう少し生きやすいように考え方の癖をつけよう」という治療です。少しでも楽に生きられるように、うつを再発しにくいように、この考え方の矯正はとても重要な治療なのです。

その3・ストレスの除去

たとえうつ病が治っても、また以前と同じストレス環境に身を置いてしまっては、いつかまた耐え切れなくなってうつを再発しかねません。また、そのようなストレス環境に復帰することが新たなストレスとなり、回復に向かったうつが再燃してしまうこともあり得ます。うつの原因になったと思われるストレスを除去し、復帰しやすい環境を作ることも、うつ病の治療の上で非常に大切なことです。

仕事、人間関係、家族問題……うつになったきっかけとなるものは様々でしょうが、それぞれに合ったストレス対策を考えなければなりません。除けるストレス原因は取り除き、変えられないものはよりストレスを感じにくくするための工夫が必要です。

また、患者自身がストレスを上手に発散する方法を身につけることも必要と言えます。軽い運動をしたり打ち込める趣味を見つける、十分に睡眠を取って太陽の光をきちんと浴び、生活習慣を改善するなど、ストレスを溜め込まない工夫です。動けないほど辛い時期にこれらを行うのは逆によくないですが、うつがだいぶ回復し、そろそろ社会復帰をと考えた時には必ず必要となってくるステップです。

うつの治療で気をつけるべきこと

これらの治療を行う際に気をつけたいのは、「無理をしない」こと。うつからの回復は不調の波を繰り返し、一進一退するもの。患者自身の体調や心の状態と相談しながら、無理のない範囲での治療や行動を心がけましょう。無理をすると再燃することもあるので注意が必要です。