思春期のうつについて

「多感」なだけじゃ済まない!増える子供の「思春期うつ」

受験戦争や就職難、社会全体における教育方針の迷走、いじめ問題など、近年子供たちは大きなストレスに晒されています。今やうつ病の問題は大人だけのものではなく、子供たちにまで広がっています。

多感な時期にかかる大きすぎるプレッシャー

思春期の子供たちは、大人の考え方が汚いものに見えたり、共感できるアーティストを崇拝するなど非常に繊細で多感な年頃です。思春期は心が揺れ動きやすく不安定で、ストレスにも決して強いとは言えません。むしろストレスに強い心を構築していく時期なのですが、そのような大事な時期に、例えば受験戦争などの強大すぎるプレッシャーが圧し掛かり、またいじめなどが起きたことにより、ストレスに耐え切れずうつ病を発症する子供たちがいます。

子供達の心の悲鳴を「そういう時期だから」で受け流してしまっては、その後の人生全てに響いてしまうことになりかねません。注意深く子供達の様子を観察し、日頃からよく話を聞き、その心の変化に常に敏感でいることが、周囲の大人に求められる役割であると言えます。

思春期うつ病の症状

思春期うつの症状は、通常のうつ病とほぼ変わりません。眠れない、食欲不振や気分の落ち込みが上げられますが、思春期うつ病はどちらかといえば疲労感やイライラ、焦燥感が強く出ることが多いようです。始終ぼんやりして授業に集中できなかったり、給食や弁当を残しがちになる、友人と遊ばなくなるなどわかりやすい症状も現れ、悪化すると不登校や引きこもりの状態に陥ることもあります。また、イライラが募って攻撃的になり、些細なことで怒り出したり場合によっては暴力をふるったり飲酒や喫煙に走ることも。

心のバランスが崩れやすいため、思春期うつ病は成人に比べて急激に発症し、症状の変動が大きいのも特徴と言えるでしょう。ただしこの年代の場合、これらの症状は他の心の問題が原因であることも考えられるため、判断には注意が必要です。

軽いようなら必要なのは「親との対話」

思春期うつ病にとってまず大切なのは、通院よりも先に親との対話であると言えます。この時期、子供の心の成長にとって親の存在は非常に大きいもの。大人に反発しながら親の愛情を確かめたり、SOSを発していたり……子供達の行動には必ず何かの意味があります。それは本人も気付いていない、無意識のものかもしれませんが、その抑圧された感情に気付き、よく話をし、子供の心を受け入れていくことで、軽度の思春期うつ病は改善していくこともあります。

忙しいからと受け流したり、言うことをきかないからと怒鳴りつけるのはよくありません。単純に励ませばよいのだろうと、適当な気持ちで「頑張りなさい」などと言うのもやめましょう。繊細になっている子供は言葉の端に出る相手の心の機微に敏感で、それが心からのものでないことをすぐに見抜きます。

この頃に培われた心は、その後の人生で様々なシーンに遭遇したとき、それを判断する基準となります。大人になってうつ病にかかりやすくなるかどうかは、子供の頃にどう育ち、どのような考えを身につけてきたかにも大きく左右されるのです。まずは子供と同じ目線まで降りて、話を聞くようにしましょう。それを押さえつけるのではなく、受け入れながら諭すこと。話し合うべきことは納得いくまで話し合うこと。親との対話が子供の心を救うことはよくあることです。

重度の場合は病院へ

とはいえ、中には自殺願望を持ったり、動くこともできないような重度のうつ病に陥る子供もいます。そのようなケースは医師の手を借り、投薬などの処置が必要となってくるでしょう。特にリストカットや髪の毛を引き抜くなどの自傷を日常的に繰り返す場合は、親との対話だけでなく専門のカウンセラーなどによる心のケアが必要と言えます。

子供が通院する場合、一人きりで治療させるのではなく親も一緒に病院へ行き、医師とよく話をすることが大切です。もしかしたら子供をうつにさせている原因は、親の言動にあるかもしれません。また、子供への抗うつ剤の投薬には賛否あり、親も積極的に治療方針の決定などの話し合いへ参加しましょう。