うつ病による焦燥感と対策

イライラそわそわ……これもうつ病?うつの焦燥感ってどんなもの?

うつの症状でよく知られているものといえば、気分の落ち込みや無気力感など、どちらかといえば動けなくなるタイプのものが多いですが、そわそわと落ち着きがなくなることがあることをご存知でしょうか。

動きたいと動けないに挟まれて生まれる焦り

治療によりうつ病の動けないほど辛い時期を過ぎると、気分の上下があり、少し活動的になれる時期がやってきます。その時期に発生しやすいのが、「焦燥感」です。ある程度動ける余裕が出てくると、うつ病の患者は自分について冷静に自問自答するシーンが増えてきます。周囲の人はがんばってるのに、このままでいいのだろうか。早く仕事に復帰しなくては生活が厳しくなってしまう。そんな心配事を抱えて「何かやらなければ」と言い知れぬ焦りと不安に襲われ、そわそわと落ち着きを失うのです。

また、うつ病の初期状態でも漠然とした不安を常に抱え、その不安から焦燥感が生まれることもあります。落ち着きを失うことで心はいつまでも休まらず、焦りから恐怖心など他のマイナスの感情へ発展していくこともあります。

焦りからイライラへ

焦燥感が続くと次第にイライラが募り、貧乏ゆすりをしたりうろうろ動き回るなど目に見える形でそれが現れます。それを放置しておくと漠然と「やらなければ」という思いに強く駆られ、強迫神経症のような症状が出たりします。強迫神経症は、有名な症状として手洗いが止められなくなるなど、強制されているかのように、どうしてもやめられない衝動を引き起こすものです。

また、焦りやイライラが続くと頭痛や動機がする、手が震えるなどの体の症状が起きたり、感情の波が大きくなって非常に心が不安定になります。強迫観念にも似た焦りは重いストレスとなって心に圧し掛かり、自殺衝動へ発展することも。健康な人でさえ、焦りの感情は決してプラスには働きません。うつ病の人がその状況に置かれたら、どれだけ悪影響かは言うべくもありません。

焦りを感じたらまず深呼吸

焦燥感を解消するのにまず効果的なのは深呼吸です。そわそわしはじめたら一旦動くのをやめ、ゆっくり心の中で数をかぞえながら、深く深く息をしてみましょう。その時、できるだけ背中はまっすぐに。お腹の奥底まで息を吸い込み、またそこから全てを吐き出すように空気を吐き出す、それを落ち着くまで数回繰り返してみて下さい。

焦燥感を感じると、無意識に呼吸が浅くなりどことなく息苦しさを感じます。それを深呼吸で解消するというわけです。深呼吸には不安や怒りをやわらげ、心を落ち着ける作用があります。何しろいつでもどこでもできるという利点もあります。

それでもどうしても収まらない場合には、医師から処方された頓服薬を利用するなどして、自分の心をうまくコントロールしましょう。焦った気持ちのまま何かをしようとするのは、やめたほうが良いです。

自分なりのリラックス方法を見つけておく

うつによる焦燥感が出やすい人は、深呼吸以外にも日頃からできるリラックス方法を作っておきましょう。お茶やコーヒーを飲む、シャワーを浴びるなど「これをやればリラックスできる」というものが複数あれば、それらを組み合わせることでよりイライラや焦りを解消しやすくなります。うつ病の人には難しいことかもしれませんが、リラックス方法を見つけておけば、疲れた心を癒すことにも役立ちます。

副作用として起きるそわそわ「アカシジア」

ところで、抗精神薬の副作用で起こるそわそわもあります。アカシジアと呼ばれるもので、落ち着かずじっとしていられなくなり、そわそわ動き回ったり座っていられないなど、主に多動の症状が現れます。また、それに伴って焦燥感や不安、イライラが現れることもあります。

抗精神病薬を服用し始めた、もしくは薬が変更になったなど、服薬に変化があった時にこの症状が出始めた場合は、うつ病による焦燥ではなく副作用の可能性もありますので、必ず医師に症状のことを伝えましょう。場合によっては薬の見直しが必要となります。焦燥感が激しいからといって、自分で勝手に薬を多く飲んだりするのは絶対にやめておきましょう。かえって悪化することがあります。