躁うつ

ハイ&ローを繰り返す!気持ちの振り幅が大きい躁うつ病って?

つい先日まで気分が落ち込みどんよりとした表情だったのに、突然元気になってばりばり仕事もこなす……あれ、うつだったんじゃないのかな?
うつ病だと思っていたのに特に理由もなくやる気が出てきて何だってできる気がする。もしもそんな状態になったら、『もしかして回復した?』と思うことでしょう。
ですがちょっと待ってください、そんな人はより注意が必要な状態かもしれませんよ。
ハイ&ローを繰り返し続ける『躁うつ病』をあなたはご存知でしょうか?

(ただの気まぐれとは違う、病的なハイ&ロー)
躁うつ病は最近では『双極性障害』と呼び、文字通り気分の高揚した躁状態と、落ち込んだうつ状態の二つの面を持ち合わせた病気です。
躁うつ病の人の気分の変化は単なる気まぐれ状態とは一線を画します。
例えば、通常の気分屋の人の気持ちの振り幅が1から10だったとします。それに比べ躁うつ病の人は、-100から+100くらいまでの振り幅があるようなもの。
脳内物質の異常がこのような気分の上下を引き起こし、患者自身もこの感情の揺れに振り回されてしまうため大変つらい状態であると言えるでしょう。

(躁うつ病はどうして起きる?)
では、躁うつ病は何が原因でかかってしまうのでしょうか。
実はこれには遺伝的な要素が深く関わっているといわれており、この遺伝的要素を持った人がストレス要因に晒されることで発症するのではないかと考えられていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
また、一度落ち着いても非常に再発しやすく、生涯にわたって投薬が必要となることが一般的で、一生付き合う類の病気だと言えるでしょう。

(躁うつ病の困った一面……躁状態)
躁うつ病がうつ病と決定的に違うのが、この『躁状態』です。
躁状態では気分が高揚し、眠気も訪れず起きっぱなしで仕事をしたり、気が大きくなってとんでもない額の買い物をしてしまったり、場合によってはその気の高ぶりから周囲を振り回してしまったりと、後々重大な影響を自分に与えてしまうような行動を取ることが多々あります。
この『躁状態』はうつ病のような『うつ状態』よりはるかに理解されにくく、初めて誰かと出会った時に躁状態だと『そういう人だ』と思われがちで、その後訪れるうつ状態とのギャップから大変な気分屋で扱いづらい人だ、などと評価されてしまうこともあります。
また、この躁状態を引き起こしてしまう可能性があるため、躁うつ病の治療には一般的に抗うつ剤を使用しません。
『うつ病』と病名にはついていますが、抗うつ剤を使用しても躁うつ病のうつ状態には効果が薄く、リスクのほうが高いのです。
さらに、うつ状態から躁状態へと変化することを『躁転』と呼びますが、この躁転の時には自殺のリスクが非常に高くなるという一面もあります。
うつ状態では自殺を考えても実行に移すだけの体力や気力がなかったのに対し、躁状態になるとそのためのエネルギーが生まれ、衝動的に行動に移してしまうことがあるからです。
病名に『うつ病』とついていても、躁うつ病とうつ病は全く異なる病気なのです。

(うつ病と見分けがつきにくいうつ状態)
躁うつ病のもう一つの面、うつ状態は通常のうつ病と区別がつきにくく、実はそのことが非常にやっかいな事態を引き起こすことがあります。
それは、うつ状態で通院を始めた場合、誤診のリスクが高くなってしまうこと。
躁うつ病のうつ状態は、うつ病の診断基準に当てはまる部分が多いため、通常のうつ病だと誤診されてしまうことがあります。
そして処方された抗うつ剤を服用し、躁転してしまう……という可能性が。
本当は躁うつ病なのにうつ病の治療をされてしまい、本当に必要な治療を受けずに悩みながら過ごしてしまう患者も中にはいるのです。
通常のうつ病なのか躁うつ病のうつ状態なのかを見極めるのは難しいもの。
しかし例えば通常のうつ病だと不眠が起こりやすいのに対して躁うつ病のうつは過眠が起こりやすく、またひどい場合は幻覚や幻聴を引き起こすこともあるなどといった違いも見られます。

ものすごく憂鬱で死にたい時が長く続いたかと思えば、今度は何でもできるような気分になってハイになる時期がくる……そんな時は躁うつ病である可能性が非常に高いです。
放置しておくと自分も周囲も大変な病気ですので、是非医師に相談して適切な治療を受けましょう。