うつと糖分の関係について

ストレス解消に糖分はNG!?過剰摂取の影にひそむ怖い罠

疲れたり、イライラしたり……そんな時に甘いものが欲しくなることはよくありますよね。糖分は脳のエネルギーになるので、ストレスなどで脳が疲労した時に甘いものを摂取するのは、確かに間違ってはいません。だからといってストレスを感じるたびに甘いものばかり食べてしまって、果たしていいのでしょうか?

甘いものを食べ過ぎて低血糖に!?

糖分を摂取しすぎると低血糖の状態に陥ることがあると、ご存知でしょうか。え、糖分を取りすぎてるのに低血糖?高血糖でなく?と疑問に思う方が多いでしょうが、人の体のプログラムが過剰に働くことで、そうなることがあるのです。

血液中のブドウ糖の値を血糖値と言いますが、甘いものを一気にたくさん食べると、この血糖値が急激にぐんと上がります。血糖値が上がりすぎた時、人の体はインスリンというホルモンを分泌し血糖値を下げようとしますが、急に高血糖になった場合、それを押さえようとするインスリンが短時間で過剰に分泌されすぎて、逆に一気に血糖値を下げすぎてしまうケースがあります。これが、糖分を取りすぎて低血糖になってしまうしくみです。

ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、炭水化物やその他の糖分が分解されてできる物質。特に砂糖はその分解までの過程が少ないため血糖値が上がりやすく、ご飯を食べ過ぎるよりもはるかに早く急激に血糖値を上げます。うつ傾向にあったり、またはうつ病になると脳の疲労を感じて甘いものを食べたくなることが多々ありますが、「甘いものはストレスを解消する」を過信してドカ食いするのは問題だと言えます。

うつに酷似した低血糖の症状

うつ傾向、またはうつ病の人が低血糖になると、とても怖い症状が待っています。それはうつの悪化。低血糖はその症状としてイライラや不安、強迫観念、眠気などうつ病と非常に良く似た症状が起こり、普段よりも衝動的な状態に陥ります。それに伴い、うつ傾向にある人はそれまでのうつの症状が急激に悪化したり、衝動的に自傷に走ってしまったりすることがあるのです。

低血糖によるイライラなどの症状は、急なインスリンの過剰分泌で下がりすぎてしまった血糖値を、今度は元の値まで上げようとして分泌される、アドレナリンとノルアドレナリンがその一因と言われています。甘いものを食べ過ぎたというだけで、体の中では上がって下がってまた上がってと、ジェットコースターのような処理が行われているわけです。このようなことが続けば体に負担がかかりホルモンのバランスも崩れやすくなって、他の病気も引き起こしかねませんよね。

うつだと思っていたら低血糖症だった?

うつ病と低血糖は非常によく似た症状を引き起こすため、うつ病だと思って心療内科や精神科に通ってもちっとも改善せず、よく調べてみたら低血糖だった……といったことも場合によっては考えられます。抗うつ剤などの効きが悪く、やたらと甘いものばかり欲しくなる、眠気がひどいなどの症状がある場合は、低血糖かもしれません。

低血糖は内科の管轄ですので、精神科では治療することができません。おかしいと思ったら、血液検査などで低血糖でないか詳しく調べてもらったほうが良いでしょう。

甘いものは量を決めてほどほどに取る

とはいえ脳を動かすためにはブドウ糖が必要です。それに甘いものを全く取らないでいるのも、逆にストレスを溜めてしまう原因になることも。甘いものを取るときは、通常の食事で炭水化物を取っていることを考慮して、量を調整しましょう。特に甘いもののドカ食いは厳禁です。血糖値を急激に上げすぎないよう、少量を時間をかけてとるよう心がける、ビタミン類やアミノ酸、たんぱく質などの栄養を気がけて取るようにするなど、日頃からバランスよく食べるようにしましょう。

血糖値を左右するホルモン、インスリンを分泌するすい臓は、一度壊れると治療が難しい臓器です。また甘いものを常に取りすぎているとインスリンのシステムが壊れ、糖尿病にもなりかねません。糖尿病は様々な合併症を引き起こす、大変おそろしい病気です。心と体、両方の健康のためにも糖分はほどほどにしておきましょう。