音に過敏になるうつの特徴について

ざわざわひそひそ……周囲の音が気になりだしたらうつの危険信号!

人の話し声、テレビの音、時計の秒針……私たちの周りは、常に音で溢れています。音も私たち人間にとって大変重要な情報源ですが、気がつけばその音が非常に不快なものになっていませんか?そんなあなたの傍に、うつ病の影が忍び寄っているかもしれません。

うつ病の症状として起こる聴覚過敏

それまで特に気にならなかった周囲の音が非常にうるさい、やたら音が響く……そのような状態を「聴覚過敏」と言います。もちろん耳の疾患として発生することのあるものですが、この聴覚過敏がストレスによって発生することもあります。耳の疾患として発生する場合は、難聴や耳鳴りなど、他のトラブルも同時に引き起こすことがありますので、そのようが症状が見られる場合はまず耳鼻科を受診して下さい。

ですが、耳鼻科を受診しても特にどこも悪くない、それなのに音がうるさい、そんな時、その背後にあるのはうつ病である可能性が大いに考えられます。特に、周囲の全ての音ではなく特定の音を取り立ててうるさく感じる、突然の大きな音に恐怖を感じるようなケースは、ストレスによる聴覚過敏と考えたほうが良いでしょう。

そのような症状が出たときは、自分の心の状態や他の身体症状はないかなど、よく振り返って確認してみて下さい。よく眠れていますか、食事はどうですか、そわそわ落ち着かなかったり言い知れぬ不安に襲われたりなどはないでしょうか。聴覚過敏の他にそういった症状がある場合は、心療内科などへの相談を考えてみて下さい。

幼い頃のトラウマが引き起こす音への恐怖

うつ病やストレスによる聴覚過敏は、人の怒鳴り声や笑い声、逆にひそひそとした話し声など特定の音を極端にうるさいと感じることがあります。またうるさいだけでなく、それらの音に恐怖を感じ、聞いていると動悸がしたり吐き気を催すなんてことも。それらがあまりに極端な場合、幼い頃の経験が心のどこかでトラウマとなって、それらの音を「自分への攻撃」だと受け止めている可能性があります。

小さい頃、怒鳴りつけられてばかりいませんでしたか? いじめなどで、見える場所でひそひそと陰口を言われ続けたことはありませんか? それらの恐怖体験が無意識の深い部分に残り、心の防衛本能が働いているのです。それらのトラウマを克服するには、専門家の手を借りたほうがスムーズに行くでしょう。心療内科や精神科などで、特定の音に恐怖を感じること、過去にその音に関するこういう経験をしたなどと相談してみましょう。トラウマは放置しておくほど奥深い場所にしまいこまれ、無意識の中に染み付いてしまいます。少し辛い作業になりますが、認知療法などで自分を見つめなおし、トラウマを克服することで、特定の音への恐怖は薄れていくでしょう。

周囲の音と上手に付き合う

音がうるさいと言っても、私たちの周囲はたくさんの音であふれています。その音源ひとつひとつに関わって音を消していくことはまず不可能ですから、周囲の音と上手に付き合う方法を考えなくてはなりません。

特定の音だけがうるさいという人は、逆に音を利用する方法もあります。あなたが聞いていて不快でない音、これなら聞き続けても大丈夫という音をヘッドホンで聞くやり方です。例えばテレビや人の笑い声をうるさく感じる人は、家族がテレビを見ている時間は自室に行ってヘッドホン。この方法は不快な音源がある程度限定的かつ、不快でない音があるという条件があるので場合によっては難しいかもしれません。

一番わかりやすいのは、耳栓で全ての音をシャットアウトする方法です。特に寝る時、周囲の音が気になって眠れない人などは耳栓をして寝てみるのはいかがでしょうか。起きている間は自宅の中でも家族間のやりとりにメールを活用し、携帯電話はバイブ機能をオンにしてポケットなど着信がわかりやすい場所に入れておくという方法もあります。

ただ、瞳を閉じれば見えなくなるように、音を完全に消し去るのはなかなか困難です。できるだけ早いうちにしかるべき専門医を受診し、自分なりのリフレッシュ法を見つけてストレスを軽減するなど、心の方面から対策を講じることが大切と言えます。