うつ病

「私はうつなんかじゃない!」通院拒否する患者との向き合い方

周囲から見て明らかにうつ病であると思われるのに、本人は頑なに通院を拒否するケースがあります。とはいえ相手は日に日に弱っていく一方……どうにかして病院に連れて行きたい。そんな時、周囲はどうしたら良いのでしょうか。

病識を持ちにくい心の病気

うつ病に限らず様々な心の病で、「治療の第一歩は病識を持つこと」であると言われます。心の病は、体の病気と比べて患者本人に「自分は病気である」という意識がないケースが非常に多くあります。理由は様々ですが、自分が病気だと認めたくないというより、そもそも自分は病気ではなくこれが正常だと思い込んでいることが多いようです。

本人が病気でないと思っているところに、周りから「病院へ行け」「治療を受けろ」と言ったところで、本人は勝手に病人扱いされたと憤慨してしまったり、自分はそんなにおかしいのかと落ち込んでしまったりします。実際に通院を始めて医師やカウンセラーとよく対話することで、「自分のこんな点が病気だったんだ」と自覚することはありますが、まずその通院が始まらないことにはどうしようもありません。

ですが始めのうちは病識が持てないというのは、心の病気を抱える人にはよくあることだとも言えます。本人が通院を拒否し続けるからといってこちらも頑なにならず、考えすぎて周囲の人まで落ち込んだりすることはありません。

まずは家族が病院に相談を

本人が行きたくないと言っているのに、強引に連れて行ったり騙して医者に引っ張り出したりすると、ますます頑なになり治療がより困難になります。家族や周囲の人への信用を失くし、病状が悪化することもあるので無理に連れて行くのはやめておきましょう。まずか家族が病院に連絡し、事情を説明してみてください。始めのうちは通院拒否するケースは多くあるため、まずは家族が病院に相談に訪れるパターンは多くあります。時間を調整し、周囲の人がまず医師と面会して本人の状態を伝え、どう説得すべきかなどのアドバイスを受けましょう。

注意点としては、患者本人がいないので投薬などはできません。また、場合によっては保険適用されないこともあります。

説得の前に本人の話を聞く

通院するよう説得する前に、患者本人の話を十分に聞くことが大切です。何故自分をうつ病だとは思わないのか、うつ病だとしても何故通院したくないのか、じっくり話を聞くことで相手の信頼を得ることができますし、同時にどの面から説得していけばよいのか、解決の糸口を掴みやすくなります。

気をつけることは、相手が話をしている最中に説得しようと口を挟まないこと。言いたいことはぐっと我慢して、まずは患者本人の言い分に共感しながら全て話し終えるまで、じっくり待ちましょう。話を聞き終えたら、そこでさまざまな質問をしていきます。うつ病についてどう思っているか、自分の今の状態をどう考えるか。より具体的な質問をしていくことで、より核心に迫ることができます。

また、話をするのは家族や深い関係の友人など、できるだけ患者が信用を置いている人にしたほうが効果的です。

うつ病がどんなものかを知ってもらう

うつ病で通院拒否をする人は、うつ病をイコール甘えや怠けと思い込み、そんなことは許されない、もっと頑張らなくてはならないという概念に囚われていることがあります。うつ病に対する世間の偏見が生み出した負の概念と言えるでしょうが、まず、そこを崩さなければ本人は辛いばかりです。うつ病は怠けではなく脳の病気であること、治療をすれば今の苦しさは軽減されること、今や多くの人がかかり珍しい病気ではないことなどをよく伝えます。

精神科や心療内科に対する敷居が高い、病院が怖いと感じる人には、近年そのような病院に通っている人は多くいること、体が病気になった時の例をあげて、病院にはそれぞれに専門の分野があることを根気よく話してみましょう。もしも通院を予定している病院のホームページなどがあれば、それを見せながら説明するのも良いかもしれません。病院の内装写真などが掲載されていれば、その雰囲気を事前に掴むこともできます。

患者自身のうつ病や心の病院に対する思い込みが、思わぬ障壁となっていることは多くあります。まずはよく話しを聞き、相手の抱える不安に合わせて説得をしていきましょう。

「多感」なだけじゃ済まない!増える子供の「思春期うつ」

受験戦争や就職難、社会全体における教育方針の迷走、いじめ問題など、近年子供たちは大きなストレスに晒されています。今やうつ病の問題は大人だけのものではなく、子供たちにまで広がっています。

多感な時期にかかる大きすぎるプレッシャー

思春期の子供たちは、大人の考え方が汚いものに見えたり、共感できるアーティストを崇拝するなど非常に繊細で多感な年頃です。思春期は心が揺れ動きやすく不安定で、ストレスにも決して強いとは言えません。むしろストレスに強い心を構築していく時期なのですが、そのような大事な時期に、例えば受験戦争などの強大すぎるプレッシャーが圧し掛かり、またいじめなどが起きたことにより、ストレスに耐え切れずうつ病を発症する子供たちがいます。

子供達の心の悲鳴を「そういう時期だから」で受け流してしまっては、その後の人生全てに響いてしまうことになりかねません。注意深く子供達の様子を観察し、日頃からよく話を聞き、その心の変化に常に敏感でいることが、周囲の大人に求められる役割であると言えます。

思春期うつ病の症状

思春期うつの症状は、通常のうつ病とほぼ変わりません。眠れない、食欲不振や気分の落ち込みが上げられますが、思春期うつ病はどちらかといえば疲労感やイライラ、焦燥感が強く出ることが多いようです。始終ぼんやりして授業に集中できなかったり、給食や弁当を残しがちになる、友人と遊ばなくなるなどわかりやすい症状も現れ、悪化すると不登校や引きこもりの状態に陥ることもあります。また、イライラが募って攻撃的になり、些細なことで怒り出したり場合によっては暴力をふるったり飲酒や喫煙に走ることも。

心のバランスが崩れやすいため、思春期うつ病は成人に比べて急激に発症し、症状の変動が大きいのも特徴と言えるでしょう。ただしこの年代の場合、これらの症状は他の心の問題が原因であることも考えられるため、判断には注意が必要です。

軽いようなら必要なのは「親との対話」

思春期うつ病にとってまず大切なのは、通院よりも先に親との対話であると言えます。この時期、子供の心の成長にとって親の存在は非常に大きいもの。大人に反発しながら親の愛情を確かめたり、SOSを発していたり……子供達の行動には必ず何かの意味があります。それは本人も気付いていない、無意識のものかもしれませんが、その抑圧された感情に気付き、よく話をし、子供の心を受け入れていくことで、軽度の思春期うつ病は改善していくこともあります。

忙しいからと受け流したり、言うことをきかないからと怒鳴りつけるのはよくありません。単純に励ませばよいのだろうと、適当な気持ちで「頑張りなさい」などと言うのもやめましょう。繊細になっている子供は言葉の端に出る相手の心の機微に敏感で、それが心からのものでないことをすぐに見抜きます。

この頃に培われた心は、その後の人生で様々なシーンに遭遇したとき、それを判断する基準となります。大人になってうつ病にかかりやすくなるかどうかは、子供の頃にどう育ち、どのような考えを身につけてきたかにも大きく左右されるのです。まずは子供と同じ目線まで降りて、話を聞くようにしましょう。それを押さえつけるのではなく、受け入れながら諭すこと。話し合うべきことは納得いくまで話し合うこと。親との対話が子供の心を救うことはよくあることです。

重度の場合は病院へ

とはいえ、中には自殺願望を持ったり、動くこともできないような重度のうつ病に陥る子供もいます。そのようなケースは医師の手を借り、投薬などの処置が必要となってくるでしょう。特にリストカットや髪の毛を引き抜くなどの自傷を日常的に繰り返す場合は、親との対話だけでなく専門のカウンセラーなどによる心のケアが必要と言えます。

子供が通院する場合、一人きりで治療させるのではなく親も一緒に病院へ行き、医師とよく話をすることが大切です。もしかしたら子供をうつにさせている原因は、親の言動にあるかもしれません。また、子供への抗うつ剤の投薬には賛否あり、親も積極的に治療方針の決定などの話し合いへ参加しましょう。

幸せなはずなのに……母の喜びの影に潜む「産後うつ」って?

出産は女性にとって一大イベント。命がけで産み落とした新たな命は愛おしく、母となった喜びに多くの女性が胸を満たされることでしょう。でもそんな時、予期せず憂鬱な気持ちが襲ってくることがあるのです。

多くの女性に現れる「マタニティブルー」

出産を経験した人の半数は、産後数日から十日前後の産褥期にうつ状態を経験していると言われます。いわゆる「マタニティブルー」です。

マタニティブルーは病気というより体内のホルモンバランスによる反応で、妊娠中にはさかんに分泌されていた女性ホルモンが、出産を機に一気に減少し、ホルモンバランスが急変するため引き起こされるものです。ホルモンバランスやそれに影響された自律神経系に起因するものなので、産後二週間から一ヶ月程度、体内のバランスが戻ってくれば多くは自然に回復します。

特に、うつ病になりやすいといわれている責任感の強い完璧主義の人が陥りやすいと言われます。症状もうつ病と似ており、気分が落ち込んだり逆にイライラしたり、体が重たく感じる、頭が回らなくなる、眠れないなどといったものがみられます。

マタニティブルーは一種の通過儀礼のようなものと受け止めて、落ち込んだ自分についてあまり深刻に考えすぎないことが大切です。またうつと同様に休養することも重要です。それでなくとも出産という大仕事を成し遂げたのですから、休養が必要なのは当然とも言えるでしょう。産後しばらくは気分的に落ち着けて人手を借りられる実家で過ごす、夫に手助けを求めるなどして、できるだけかかる負担を軽くしておきましょう。

マタニティブルーの時期を上手にやり過ごせるかどうかで、その後が大きく違ってきます。

長引けば「産後うつ」の危険

マタニティブルーの時期はとうに過ぎたはずなのに、いつまでも気持ちが上向かない、子供への興味が持てず子育てする気力がわかない……そんな時はもしかしたら、「産後うつ」へと移行してしまったのかもしれません。

産後うつは、マタニティブルーの時期を過ぎた頃に発症する、うつ病の一種です。ですから自然に治るものではなく、心療内科や精神科での治療が必要なものとなります。投薬により母乳での育児ができなくなるなど、子育てにも大きく影響する面もあるため、周囲の人の協力がより必要となってきます。

産後うつになると、一般的なうつ病の症状のほかに、子育てに関して訳もなく苛立ち、せっかく生んだ我が子に危害を加えてしまうこともあり、結果夫婦関係の崩壊につながったり、子育てへの不安から無理心中を図ってしまうなどの深刻なケースも。マタニティブルーの症状が長引く様子が見られたら、早急に専門の医師に診てもらいましょう。特に、初めての出産の時は不安が大きく、出産後は子供中心の生活へと一変するため産後うつになりやすく、注意が必要です。

産後うつをどう予防するか

産後うつまで引きずることなく、マタニティブルーの時期で終わらせる、産後うつの予防策としていくつかの対策があげられます。まずは母親が十分に休息できる環境を整えること。特に睡眠時間の確保は大切なことです。いざ子育てが始まると、夜中でもミルクを飲ませたり夜泣きがひどかったりで、母親は十分な休息や睡眠が取れないことが多くなります。睡眠不足は脳の機能を鈍らせるため、まず周囲が協力して母親の休息時間を作りましょう。

食事の内容も重要です。母親は子育てで体力を使うだけでなく、出産により母乳を生成するようになります。十分な栄養を取っているつもりでも、栄養不足になりがちですので、普段以上に食事のバランスに気をつけ、三食きっちり食べましょう。子供優先で自分は後回し……つい食べそびれてしまった、なんてことを繰り返すと、体力が落ち育児を負担に感じてしまいます。

母親が一人になれる時間を作ることも、産後うつの予防には欠かせません。母親は子供と二人きりの閉じた世界にこもりがちになってしまい、その閉塞感が不安や焦りを生み出してうつの心に傾いていきます。母親にもリフレッシュできる時間を。そのためには家族や夫の協力が不可欠となります。家族や夫が愛情をもって母親に接し、協力を惜しまず家族みんなで子育てに参加することが、何よりも大切なことと言えるでしょう。

イライラそわそわ……これもうつ病?うつの焦燥感ってどんなもの?

うつの症状でよく知られているものといえば、気分の落ち込みや無気力感など、どちらかといえば動けなくなるタイプのものが多いですが、そわそわと落ち着きがなくなることがあることをご存知でしょうか。

動きたいと動けないに挟まれて生まれる焦り

治療によりうつ病の動けないほど辛い時期を過ぎると、気分の上下があり、少し活動的になれる時期がやってきます。その時期に発生しやすいのが、「焦燥感」です。ある程度動ける余裕が出てくると、うつ病の患者は自分について冷静に自問自答するシーンが増えてきます。周囲の人はがんばってるのに、このままでいいのだろうか。早く仕事に復帰しなくては生活が厳しくなってしまう。そんな心配事を抱えて「何かやらなければ」と言い知れぬ焦りと不安に襲われ、そわそわと落ち着きを失うのです。

また、うつ病の初期状態でも漠然とした不安を常に抱え、その不安から焦燥感が生まれることもあります。落ち着きを失うことで心はいつまでも休まらず、焦りから恐怖心など他のマイナスの感情へ発展していくこともあります。

焦りからイライラへ

焦燥感が続くと次第にイライラが募り、貧乏ゆすりをしたりうろうろ動き回るなど目に見える形でそれが現れます。それを放置しておくと漠然と「やらなければ」という思いに強く駆られ、強迫神経症のような症状が出たりします。強迫神経症は、有名な症状として手洗いが止められなくなるなど、強制されているかのように、どうしてもやめられない衝動を引き起こすものです。

また、焦りやイライラが続くと頭痛や動機がする、手が震えるなどの体の症状が起きたり、感情の波が大きくなって非常に心が不安定になります。強迫観念にも似た焦りは重いストレスとなって心に圧し掛かり、自殺衝動へ発展することも。健康な人でさえ、焦りの感情は決してプラスには働きません。うつ病の人がその状況に置かれたら、どれだけ悪影響かは言うべくもありません。

焦りを感じたらまず深呼吸

焦燥感を解消するのにまず効果的なのは深呼吸です。そわそわしはじめたら一旦動くのをやめ、ゆっくり心の中で数をかぞえながら、深く深く息をしてみましょう。その時、できるだけ背中はまっすぐに。お腹の奥底まで息を吸い込み、またそこから全てを吐き出すように空気を吐き出す、それを落ち着くまで数回繰り返してみて下さい。

焦燥感を感じると、無意識に呼吸が浅くなりどことなく息苦しさを感じます。それを深呼吸で解消するというわけです。深呼吸には不安や怒りをやわらげ、心を落ち着ける作用があります。何しろいつでもどこでもできるという利点もあります。

それでもどうしても収まらない場合には、医師から処方された頓服薬を利用するなどして、自分の心をうまくコントロールしましょう。焦った気持ちのまま何かをしようとするのは、やめたほうが良いです。

自分なりのリラックス方法を見つけておく

うつによる焦燥感が出やすい人は、深呼吸以外にも日頃からできるリラックス方法を作っておきましょう。お茶やコーヒーを飲む、シャワーを浴びるなど「これをやればリラックスできる」というものが複数あれば、それらを組み合わせることでよりイライラや焦りを解消しやすくなります。うつ病の人には難しいことかもしれませんが、リラックス方法を見つけておけば、疲れた心を癒すことにも役立ちます。

副作用として起きるそわそわ「アカシジア」

ところで、抗精神薬の副作用で起こるそわそわもあります。アカシジアと呼ばれるもので、落ち着かずじっとしていられなくなり、そわそわ動き回ったり座っていられないなど、主に多動の症状が現れます。また、それに伴って焦燥感や不安、イライラが現れることもあります。

抗精神病薬を服用し始めた、もしくは薬が変更になったなど、服薬に変化があった時にこの症状が出始めた場合は、うつ病による焦燥ではなく副作用の可能性もありますので、必ず医師に症状のことを伝えましょう。場合によっては薬の見直しが必要となります。焦燥感が激しいからといって、自分で勝手に薬を多く飲んだりするのは絶対にやめておきましょう。かえって悪化することがあります。

ストレス解消に糖分はNG!?過剰摂取の影にひそむ怖い罠

疲れたり、イライラしたり……そんな時に甘いものが欲しくなることはよくありますよね。糖分は脳のエネルギーになるので、ストレスなどで脳が疲労した時に甘いものを摂取するのは、確かに間違ってはいません。だからといってストレスを感じるたびに甘いものばかり食べてしまって、果たしていいのでしょうか?

甘いものを食べ過ぎて低血糖に!?

糖分を摂取しすぎると低血糖の状態に陥ることがあると、ご存知でしょうか。え、糖分を取りすぎてるのに低血糖?高血糖でなく?と疑問に思う方が多いでしょうが、人の体のプログラムが過剰に働くことで、そうなることがあるのです。

血液中のブドウ糖の値を血糖値と言いますが、甘いものを一気にたくさん食べると、この血糖値が急激にぐんと上がります。血糖値が上がりすぎた時、人の体はインスリンというホルモンを分泌し血糖値を下げようとしますが、急に高血糖になった場合、それを押さえようとするインスリンが短時間で過剰に分泌されすぎて、逆に一気に血糖値を下げすぎてしまうケースがあります。これが、糖分を取りすぎて低血糖になってしまうしくみです。

ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源で、炭水化物やその他の糖分が分解されてできる物質。特に砂糖はその分解までの過程が少ないため血糖値が上がりやすく、ご飯を食べ過ぎるよりもはるかに早く急激に血糖値を上げます。うつ傾向にあったり、またはうつ病になると脳の疲労を感じて甘いものを食べたくなることが多々ありますが、「甘いものはストレスを解消する」を過信してドカ食いするのは問題だと言えます。

うつに酷似した低血糖の症状

うつ傾向、またはうつ病の人が低血糖になると、とても怖い症状が待っています。それはうつの悪化。低血糖はその症状としてイライラや不安、強迫観念、眠気などうつ病と非常に良く似た症状が起こり、普段よりも衝動的な状態に陥ります。それに伴い、うつ傾向にある人はそれまでのうつの症状が急激に悪化したり、衝動的に自傷に走ってしまったりすることがあるのです。

低血糖によるイライラなどの症状は、急なインスリンの過剰分泌で下がりすぎてしまった血糖値を、今度は元の値まで上げようとして分泌される、アドレナリンとノルアドレナリンがその一因と言われています。甘いものを食べ過ぎたというだけで、体の中では上がって下がってまた上がってと、ジェットコースターのような処理が行われているわけです。このようなことが続けば体に負担がかかりホルモンのバランスも崩れやすくなって、他の病気も引き起こしかねませんよね。

うつだと思っていたら低血糖症だった?

うつ病と低血糖は非常によく似た症状を引き起こすため、うつ病だと思って心療内科や精神科に通ってもちっとも改善せず、よく調べてみたら低血糖だった……といったことも場合によっては考えられます。抗うつ剤などの効きが悪く、やたらと甘いものばかり欲しくなる、眠気がひどいなどの症状がある場合は、低血糖かもしれません。

低血糖は内科の管轄ですので、精神科では治療することができません。おかしいと思ったら、血液検査などで低血糖でないか詳しく調べてもらったほうが良いでしょう。

甘いものは量を決めてほどほどに取る

とはいえ脳を動かすためにはブドウ糖が必要です。それに甘いものを全く取らないでいるのも、逆にストレスを溜めてしまう原因になることも。甘いものを取るときは、通常の食事で炭水化物を取っていることを考慮して、量を調整しましょう。特に甘いもののドカ食いは厳禁です。血糖値を急激に上げすぎないよう、少量を時間をかけてとるよう心がける、ビタミン類やアミノ酸、たんぱく質などの栄養を気がけて取るようにするなど、日頃からバランスよく食べるようにしましょう。

血糖値を左右するホルモン、インスリンを分泌するすい臓は、一度壊れると治療が難しい臓器です。また甘いものを常に取りすぎているとインスリンのシステムが壊れ、糖尿病にもなりかねません。糖尿病は様々な合併症を引き起こす、大変おそろしい病気です。心と体、両方の健康のためにも糖分はほどほどにしておきましょう。

焦らず治療をするためにうつの「急性期」と「回復期」を知ろう

うつ病は、ある日を境に「治った!」ということはなく、回復に段階があります。主に「急性期」と「回復期」の二つに分けられますが、それぞれの時期で治療の仕方も異なります。適切な治療のためにも、うつの急性期と回復期について、是非知っておきましょう。

動くのも辛い……死にそう……一番辛い「急性期」

うつ病の始まり、最も心が重く体も動かない、一番辛い時期が「急性期」です。この時期の患者はひたすら悲観的で自己否定を続け、これまで楽しんでいた趣味も楽しめなくなり、様々なことへの意欲を失くします。表情も乏しくなり、布団から起き上がれなくなり、会社や学校を無断で休んだり、食事すらままならなくなる……一般的によく知られているうつ病の症状は、主にこの急性期のものと言えるでしょう。

この時期何より大切なのは、無理をせず心を休養させること。治療の開始時期でもありますが、まずは投薬で脳の機能を補いながら十分な休養を取ることから始まります。投薬の効果が出るのは二週間から一ヶ月前後。周囲の人は焦らず、気長に見守ることが望まれます。急性期の患者は、会話をすることすら疲労します。静かな環境を作り、患者が十分に休めるよう配慮しましょう。気晴らしに外出に誘ったりするのは、急性期にはやめておきましょう。

このように大変症状の重い急性期ですが、自殺のリスクは回復期に比べて低いと言えます。何故ならこの時期は体を動かすのも億劫で、自殺をする気力すらも失われるからで、それは決してよいこととは言い難いでしょう。

復帰に向けて動き出す「回復期」

投薬や休養により憂鬱な気持ちがだいぶ上向き、症状が安定してくるのが回復期です。この時期になると、日によって心の状態に振り幅はありますが、趣味など好きなことに対して「やってみようかな」と意欲が出始めたり、何かやらなくてはとそわそわし始めます。昨日は散歩に出ていたのに今日は布団で寝ている……といった状態に陥りがちですが、それの波を繰り返しながら少しずつ回復に向かっていくのです。

この段階になると、社会復帰のための治療が行われるようになります。カウンセリングや認知療法など、医師との深い対話が必要なものもこの時期に行われます。気晴らしの外出などに誘うのも、回復期に入ってからのことです。

注意すべきは、回復期には自殺のリスクが非常に高まります。それまで動く気力もなかった患者に行動力が生まれ、ふと気持ちが落ちた時に衝動的に行動に移ってしまう可能性があるからです。特に回復期に入ったばかりの頃は注意が必要で、患者の日々の状態に心を配る必要があります。

それぞれの時期に合った治療をしよう

うつ病の治療法として、カウンセリング、認知療法、精神療法など様々な治療法がありますが、それぞに合った治療の時期があります。回復期に行うべき治療を急性期にしてしまうと、患者の心に大きな負担がかかり、余計病状を悪化させることにもなりかねません。また、回復期に必要な治療を先延ばしにし続けると、いつまで経っても社会復帰できず解決の糸口の見えないまま、長い時間を過ごしてしまったということにも。

今この患者がどの時期にあり、どのような治療が必要なのかは、やはり専門家である医師に任せるのが一番です。周囲の人は、急性期の患者を強引にカウンセリングルームなどに連れ出したりしないように。急性期では医師との会話すらままならない場合が多くあり、自分自身の心を対話しながら分析するなど、心に負担がかかるだけです。

急性期と回復期の境目はどう見極める?

急性期と回復期の境は、物事に対する意欲である程度見極めることができます。行動することを辛い、動きたくない以前に動けないなど悲観的に捉えるばかりで、実際体が鉛のように重たく感じるのはまだまだ急性期。「何かやってみたいけど、億劫だな……」と感じられるようになって、ようやく回復期に入ったと言えます。

ですが回復期に入ったばかりの時期はまだまだ心が不安定です。今日は元気だったのに、翌日はまたどん底にいるような気分になってしまうこともあります。回復期に入ったからもうどん底まで落ち込む心配はない!などと過信しすぎず、一歩一歩着実に治療を進めていくことが大切です。

うつの人にこそ伝えたい!心を前向きにさせるプラス言葉

うつ病患者への不用意な励ましは厳禁であると、一般的な認識が広まってきています。事実、軽々しく「頑張って」などと言うことは症状を悪化させる原因になりかねませんが、だからといって患者と言葉を交わさず、腫れ物扱いすればいいという訳でもありません。周囲の人にしかできない、患者の心を前向きにさせる行為もあるのです。

伝えたい、「あなたの存在意義」

うつ病の患者は、常に孤独と不安に苛まれています。自分は不要な人間ではないか、誰も助けてくれる人がいない、自分には価値がない……そんな考えに囚われ、どうしてもネガティブな心を抱えてしまうのです。また、自己否定の心が強く、何かと自分の存在を卑下しがちです。ですから、第三者の視点から「そんなことはない、あなたには価値がある」ということを言葉にして伝えることで、認められる安心感と自信を、うつ病の人に持ってもらうのです。

「あなたがいてくれて助かった」ただ一言の言葉ですが、うつ病の患者にとってとても大切な言葉です。

誰かに認められる安心感というものは、自分ひとりで得ることはできません。ですがうつ病の人は常にと言っていいほどそれに飢えています。面と向かって言うには照れくさいかもしれませんが、勇気を出して伝えてみましょう。言葉というわかりやすい形で認められる安心感を与えることで、患者は孤独感が軽くなり、ほんの少しですが前向きな気持ちになれます。あなたの一言で、うつ病の人が救われるかもしれません。

プラス言葉にもNGがある

プラスの言葉がうつの心を軽くするといっても、むやみやたらに言えばいいものでもありません。中にはよけい患者を落ち込ませてしまう言葉もあるため、選び方には慎重になりたいものです。

まず上げられる注意点として、「他者と比較した言葉を言わない」という点があると思います。「みんなもっと辛いことだってあるんだから大丈夫!」といった言葉ですが、このような言い方だと「自分は些細なことでこんなに落ち込んで……他の人はもっとつらくても元気でやっているのに」と患者を落ち込ませかねません。

次に、「あなたはできる人だから」などと根拠なく相手を持ち上げすぎる言い方。うつ病患者の多くは自信を失い、自分は無価値な人間だと思い込んでいることが多く、やたら持ち上げる言葉は「ああ、気を使わせてしまったんだな……」とすぐに察してしまいます。相手を褒めるなら、「あなたのこういうところはいいところじゃない」などと、相手が納得できる具体例と共に言うようにすれば、より受け入れてもらいやすくなります。

元気付けようとして、いつの間にかプラス言葉が叱咤激励になってしまわないことも、注意しておきたい点です。体育会系のような強い励ましは、うつ病の人にとって励ましの内容はハードルが高く、「できない自分」を思い知らされて落ち込んだり、また励まされたことを実行しようと無理をして症状が悪化することがあります。

プラスの言葉を投げかける大切さ

人のコミュニケーションのひとつとして、言葉は非常に重要な役割を持っています。人はそれぞれ心の内にさまざまなものを抱えていますが、それは何かの形にして表にださなければ他人には伝わらず、言葉はまずその手段としてストレートに相手に伝えることができるもの。「言葉のナイフ」とも言われますが、私たちの思う以上に、人の言葉には力があります。

例えば同じ事柄でも、言葉ひとつで随分受け止め方が違ってくるもの。「貯金があと半分しか残っていない」だと、言い知れぬ焦りを感じて不安になります。ですが「貯金はあと半分も残ってる」ではどうでしょう。心に余裕が持てませんか?

そのような「プラス言葉」は、自分自身に言い聞かせるだけでなく、他人とのコミュニケーションを図る時、相手に与える印象にも大きな影響を及ぼします。他人の欠点をあげつらって責める言葉ばかりを言う人は敬遠され、逆に励ましたり、慰めたりする優しい言葉をかけることのできる人は、温かい人として好かれます。人に好かれると自分の存在に価値を見出すことができ、生きる気力が沸きます。相手の心だけでなく、自分の心も救うのがプラス言葉なのです。

引きずられたらダメ絶対!うつ病患者の家族として気をつけたいこと

家族の誰かがうつになったら、もちろん家族としてそれを支え、手助けしていきたい、どうにかしてあげたい、そんな気持ちになる人は多いことでしょう。ですが深入りしすぎると、家族全員総うつ病という危険もはらんでいることを、あなたは知っていますか?

全てを抱え込まない、それが一番大事

つい先日まで三食きちんと食べ、仕事にも行っていた……そんな家族が部屋に篭ったり布団に寝込んで動かなくなったりすることに、始めは誰もが戸惑うでしょう。寝たきりのうつ病患者となった家族を見て、どうにかしなければと使命感に駆られることも少なくないと思います。ですがあれもこれも、家族がしてあげなければ!と気負いすぎることは厳禁です。

専門の知識がないまま、うつ病の患者と接することは大変なことで、時に接する側に大きなストレスがかかります。特に「なんとかしなくては」と気負ってしまう人は、なかなか回復しない家族に対して「どうしていつまでも治らないのか」という苛立ちと、「家族としてのあり方が間違ってたのでは」「こうなる前にもっと何かできなかったのか」という自責でストレスを感じやすく、気がつけば自分が介護うつに陥っていた……という可能性も大いにありえるのです。

うつ病は伝染する病気ではありませんが、周囲がそれに引きずられてうつになることは考えられます。患者のことを気負うのはほどほどに、何もかもを家族だけで抱え込まないことが最重要と言えます。

まずはうつ病についての正しい知識を得る

家族がうつになってしまったら、まずうつ病とはどんなものか知ることから始めましょう。その時、一般的に言われる「頑張れは禁句」のようなうつ病患者への対処マニュアル的なものも、ただやるべきことを知るだけでなく「何故そうする必要があるのか」まで深く突っ込んで理解することが大切です。「どうしてかはわからないけど、こうすべきらしい」と「こういうことがよくないから、こうしたほうがよい」とでは、どちらが臨機応変に対応できるか、比べるまでもないでしょう。

正しい知識は引くべき時を見定める基準ともなり、結果自分を守ることにも繋がります。よくわからないまま闇雲にあれもこれもと走り回っては無駄に疲れてストレスを溜めるだけになってしまいます。

分担し、任せるべきは専門家へ任せる

家族の中で、例えば母親だけが患者の介護をしているような状態だと、一人だけに負担が偏りやがてストレスを溜めた母親まで、患者に引きずられてうつを発症しかねません。できることなら家族で役割分担し、特定の誰かだけに負担がいかないよう心がけましょう。

また、任せるべきところは専門家に一任したほうが良いです。特に患者のカウンセリング的な部分は知識のない人が行うことは難しい上、話を聞くほうにも相当のストレスがかかります。専門家でない人が下手に患者の心の内をあれこれ聞き出そうとはしないほうが懸命です。場合によっては患者の症状が悪化してしまうことすらあります。家族にできるのは治療ではなくあくまでもサポート。とはいえあれこれ手出しすればいいというものではなく、時には距離をおくこともサポートの一種であると心得ましょう。

適度な息抜きを欠かさない

うつ病患者のストレスを軽減することは大切ですが、同様に患者を抱える家族のストレスについても考えなければなりません。家族のストレスが溜まり共倒れを防ぐためにも、時には患者から離れて生き抜きをすることは、大変重要です。病気の家族のことが気がかりでも、趣味に打ち込んだりスポーツをしたりなど、自分の楽しみは見失わないようにしましょう。「自分達だけ楽しんで悪いな」という気持ちが生まれるかもしれませんが、そこは切り離して考えるべきことです。

家族が患者のためにできること

では、家族にできることとは何でしょうか。それは先にも述べたように患者のサポートです。例えば通院に付き添う、服薬の管理をする、できるだけ静かな環境を整えて患者がゆっくり休養できるようにするなど、患者がうつを治療するのに必要なことを手助けする立ち位置です。それを崩さず、適度な距離感を持って接するよう心がけましょう。

緑茶を飲むとほっとするのは何故?「テアニン」で上手にストレス抑制

日本人にとてもなじみ深い飲み物といえば緑茶ですよね。暖かい緑茶を飲むと、ほっと一息ついて落ち着ける、そんな経験誰にでもありませんか? 実際、緑茶にはストレスを軽減する働きがあるとする研究結果があります。緑茶の癒し効果にはどんな秘密があるのでしょうか。

癒しの秘密は「テアニン」にあった

緑茶の成分といえば「カテキン」が有名ですが、ストレス抑制に働く癒し成分は「テアニン」という物質です。テアニンはアミノ酸の一種で、カテキンが渋味成分であるのとは逆に、お茶の甘味や旨みの成分。緑茶のテアニン含有量はそもそも高いのですが、玉露や抹茶、新茶により多く含まれることがわかっています。

テアニンには脳をリラックスさせたり、睡眠の質を向上させ不眠や中途覚醒を改善したり、女性のPMSのイライラを改善する、集中力を高めるといったさまざまな効果が確認されています。日常的に身近な、しかも日本人になじみ深い緑茶でそのような効果が得られるのなら、是非暮らしの中で積極的に摂取していきたいものです。

緑茶を飲むと睡眠の満足感が増す

うつ病の人も多く悩まされる不眠。不眠はうつ病でなくとも例えば大きな心配事があったりすると起こる、誰でもが経験する可能性のある困った事態と言えるでしょう。緑茶のテアニンは、脳内物質の「ギャバ」を補助する働きがあります。ギャバは睡眠に深く関わる物質で、脳を興奮させる物質の働きを抑えて睡眠に導くとされ、その働きをテアニンは助けるわけです。また、テアニンを摂取すると脳内にリラックスの指標ともいえるα波が発生し、より眠りやすい状態へと導きます。

緑茶には脳を覚醒させる物質「カフェイン」が含まれているのでは……カフェインを取ると眠れなくなるのでは?と心配される方もいるでしょうが、緑茶のカフェインはお茶に含まれる他の成分と結合し、作用がゆっくりなのでそう不安になることはありません。コーヒーや紅茶などに比べると、その作用は低いと言えるでしょう。

テアニンは熟睡感を増し、また中途覚醒を抑えるとも言われています。熟睡感は非常に大切で、いくら長時間眠ってもこの感覚が得られなければ、疲れはとれないまま。寝つきがよくなり、睡眠時間が長くなったように感じられるほど満足度の高い睡眠ができれば、それは心の健康に繋がります。

テアニンはストレスを軽減させる

テアニンには、緊張を緩和させストレスを抑制する効果もあります。これは人を対象にした実験で立証され、ストレスを感じた時に起こる心拍数の上昇などが抑えられ、「ストレスを受けた」と感じる感覚も抑えられたとのこと。単純なリラックス効果だけでなく、与えられたストレスを軽減する効果もあるとは、心の健康のためには必要な物質と言えるでしょう。

イライラを感じた時に緑茶を飲んで一息つくと、なんだか落ち着くような気がするのは、気のせいではなかったんですね。ストレス過剰でうつを発症する人も多い昨今、日頃から緑茶でテアニンを摂取する習慣をつけておきましょう。

一日に4~5杯飲むのがベスト

テアニンは玉露や抹茶などに多く含まれていますが、普通の煎茶にももちろん含まれています。研究によると、一日に4~5杯以上の緑茶を飲む人はうつのリスクが軽減されるという報告があり、例えば毎日の食事の終わりと休憩時、寝る前に一杯の緑茶を飲むことでその条件は簡単に満たすことが出来ます。食事の際の飲み物を、一食は完全に緑茶に切り替えるなどといった工夫も良いでしょう。テアニンは煎茶の中では特に新茶に多く含まれているため、八十八夜の季節には欠かさず新茶を買ってみるのもいいのではないでしょうか。

テアニンを摂取しすぎても、それでうつのリスク軽減の効果が悪くなる報告は確認されていません。ですが緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、また渋味成分のカテキンは過剰摂取による副作用もいくつか認められているため、あまりにも飲みすぎないよう気をつけたほうが良いかもしれません。

何事もほどほどに、身近なものを上手に取り入れながら上手にストレスを減らしていきたいですね。

まさに現代病!職場が抱える「新型うつ」の問題とどう向き合うか

近年、もはや社会問題となりつつある「新型うつ」。その定義そのものが曖昧なのにも関わらず「患者」は増加する一方で、企業側にも混乱が広がっています。新型うつで苦しむのは、患者当人だけではなく、彼らを抱える企業もなのです。

企業はどんな問題を抱えるのか

新型うつの蔓延により企業が抱える問題として最初にあげられるのは「理由のわからない突然の休職」ではないでしょうか。ストレス原因がはっきりわかっている場合は、企業側にも対応しやすい状況であると言えるでしょう。しかし新型うつの場合、企業側はどのような状況でその人がストレスを抱えているのか非常に把握しにくく、どのように対策すべきかもわからないまま、診断書を突きつけられて突然休職、といったケースも多くあります。

休職して療養するのかと思えば、旅行や趣味などは精力的に行える……その間、傷病手当などを支払う企業側としては、遊んでいるのに給料を支払っているような感覚に陥ることもあります。そうなれば患者への評価はどんどん低くなる一方。それが他の従業員に知られれば、職場の士気に関わってきます。突然あいた穴を皆でフォローしているのに本人は元気に遊んでいると受け取られ、いざ患者が職場復帰となっても、従業員同士の関係がぎくしゃくしてしまい、それでまた再発……ということも考えられます。

新型うつとはどんなものかを知る

企業側がまずやるべきことは、「新型うつとは何なのか」を深く知ることだと思います。近年、テレビなどでも新型うつの特集が組まれて報道されたりしますが、情報をそれらだけに頼り漠然としたイメージだけを抱えていては、根本的な対策はできません。できれば医師などの専門家から話を聞く、勉強会を開くなどして、従業員のメンタル問題について積極的になることが大切です。

精神疾患を抱える人はできるだけ雇いたくないのが本音……という部分も企業側にはあるでしょうが、人は機械ではありません。人が心を持っている以上、そこに不具合を起こしてしまうこともあるのだと、まず知ることです。

産業医やカウンセラーなど、相談できる専門家をつくる

近年、産業医やカウンセラーを置く企業も少しずつ増えてきていますが、そのような専門家の存在はとても心強いもの。休職期間中の療養の報告も、産業医を通じたほうがよりスムーズに行えるでしょう。また企業側も産業医に従業員のメンタルケアについて相談することで、事前に従業員の新型うつやメンタルの異常により気がつきやすくなります。

産業医やカウンセラーを置くことが難しいようなら、相談だけでもできる医師や専門家の存在を作っておくだけでも違います。一般の人が新型うつを始め、さまざまな心の病について理解することはなかなか難しいもの。知識として知っていても、かける言葉などはどうしても感情的になりがちです。さまざまなシーンにおいて患者とどう接したらよいのか、休職のさせ方や職場への復帰などはどうしたら良いのか、第三者の立場から専門的な意見を求めることは重要です。

従業員のストレスを減らす

企業側がすぐに、簡単にできるのが「ストレスを減らす環境づくり」ではないでしょうか。何も大掛かりなことは必要ありません。そこで働いているのが「人」であることに注目すれば良いのです。人はどんなことを言われたらストレスを溜めるのか、そこに着目して、評価の仕方や言葉の選び方をほんの少し変えるのです。

例えば、AとB二つの仕事を任されている人がいるとします。Aの成果は上々ですがBは上司が希望するような成果がまだみられません。そのような時、できていないBの仕事について責めるのではなく、成果の出ているAの仕事を褒めることでBの向上を求めるようにするのです。「AはともかくBはまだできていないのか、早くしてくれ」ではなく「Aはよくできている、この調子でBも期待しているから頑張ってくれ」と言うだけで、相手が受ける印象は180度違います。

人は些細なことで落ち込むこともありますが、小さな喜びが大きな自信に繋がることだってあります。それを忘れず、小さなことでもプラスの評価を重ねていくことで自信をもたせ、仕事への意欲を伸ばしていくのです。