うつ病

ハイ&ローを繰り返す!気持ちの振り幅が大きい躁うつ病って?

つい先日まで気分が落ち込みどんよりとした表情だったのに、突然元気になってばりばり仕事もこなす……あれ、うつだったんじゃないのかな?
うつ病だと思っていたのに特に理由もなくやる気が出てきて何だってできる気がする。もしもそんな状態になったら、『もしかして回復した?』と思うことでしょう。
ですがちょっと待ってください、そんな人はより注意が必要な状態かもしれませんよ。
ハイ&ローを繰り返し続ける『躁うつ病』をあなたはご存知でしょうか?

(ただの気まぐれとは違う、病的なハイ&ロー)
躁うつ病は最近では『双極性障害』と呼び、文字通り気分の高揚した躁状態と、落ち込んだうつ状態の二つの面を持ち合わせた病気です。
躁うつ病の人の気分の変化は単なる気まぐれ状態とは一線を画します。
例えば、通常の気分屋の人の気持ちの振り幅が1から10だったとします。それに比べ躁うつ病の人は、-100から+100くらいまでの振り幅があるようなもの。
脳内物質の異常がこのような気分の上下を引き起こし、患者自身もこの感情の揺れに振り回されてしまうため大変つらい状態であると言えるでしょう。

(躁うつ病はどうして起きる?)
では、躁うつ病は何が原因でかかってしまうのでしょうか。
実はこれには遺伝的な要素が深く関わっているといわれており、この遺伝的要素を持った人がストレス要因に晒されることで発症するのではないかと考えられていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
また、一度落ち着いても非常に再発しやすく、生涯にわたって投薬が必要となることが一般的で、一生付き合う類の病気だと言えるでしょう。

(躁うつ病の困った一面……躁状態)
躁うつ病がうつ病と決定的に違うのが、この『躁状態』です。
躁状態では気分が高揚し、眠気も訪れず起きっぱなしで仕事をしたり、気が大きくなってとんでもない額の買い物をしてしまったり、場合によってはその気の高ぶりから周囲を振り回してしまったりと、後々重大な影響を自分に与えてしまうような行動を取ることが多々あります。
この『躁状態』はうつ病のような『うつ状態』よりはるかに理解されにくく、初めて誰かと出会った時に躁状態だと『そういう人だ』と思われがちで、その後訪れるうつ状態とのギャップから大変な気分屋で扱いづらい人だ、などと評価されてしまうこともあります。
また、この躁状態を引き起こしてしまう可能性があるため、躁うつ病の治療には一般的に抗うつ剤を使用しません。
『うつ病』と病名にはついていますが、抗うつ剤を使用しても躁うつ病のうつ状態には効果が薄く、リスクのほうが高いのです。
さらに、うつ状態から躁状態へと変化することを『躁転』と呼びますが、この躁転の時には自殺のリスクが非常に高くなるという一面もあります。
うつ状態では自殺を考えても実行に移すだけの体力や気力がなかったのに対し、躁状態になるとそのためのエネルギーが生まれ、衝動的に行動に移してしまうことがあるからです。
病名に『うつ病』とついていても、躁うつ病とうつ病は全く異なる病気なのです。

(うつ病と見分けがつきにくいうつ状態)
躁うつ病のもう一つの面、うつ状態は通常のうつ病と区別がつきにくく、実はそのことが非常にやっかいな事態を引き起こすことがあります。
それは、うつ状態で通院を始めた場合、誤診のリスクが高くなってしまうこと。
躁うつ病のうつ状態は、うつ病の診断基準に当てはまる部分が多いため、通常のうつ病だと誤診されてしまうことがあります。
そして処方された抗うつ剤を服用し、躁転してしまう……という可能性が。
本当は躁うつ病なのにうつ病の治療をされてしまい、本当に必要な治療を受けずに悩みながら過ごしてしまう患者も中にはいるのです。
通常のうつ病なのか躁うつ病のうつ状態なのかを見極めるのは難しいもの。
しかし例えば通常のうつ病だと不眠が起こりやすいのに対して躁うつ病のうつは過眠が起こりやすく、またひどい場合は幻覚や幻聴を引き起こすこともあるなどといった違いも見られます。

ものすごく憂鬱で死にたい時が長く続いたかと思えば、今度は何でもできるような気分になってハイになる時期がくる……そんな時は躁うつ病である可能性が非常に高いです。
放置しておくと自分も周囲も大変な病気ですので、是非医師に相談して適切な治療を受けましょう。

現代型のうつ病!?一人歩きする『新型うつ病』の言葉の意味って?

新型うつ病……最近よく聞く言葉ですよね。
ですがこの言葉、患者当人にとっては非常にやっかいな言葉と言えます。
え、そういう名前の病気じゃないの? テレビなんかでよく言われてるけど……とお思いのあなた、新型うつ病という言葉に対して大きな勘違いをしているかもしれませんよ?

(新型うつ病は診断名ではない)
まず非常にやっかいなのは、『新型うつ病』というのは正式な病気の診断名ではなく、マスメディアなどによって使われる言葉にすぎません。
ここでまず驚く方がいらっしゃるのではないですか?
また、新型うつ病の定義そのものが非常に曖昧で、イコール非定型うつ病とする人もいれば、いくつかのうつ病を総合した名称であるとする人もおり、言葉だけが独り歩きをしている状態です。
言葉の定義そのものが曖昧なため、従来型のうつ病と新型うつ病を混同し、その結果『うつ病は我侭なだけだ』という偏った考えに辿り着く人も多くおり、大変やっかいな現状であると言えます。
こんな状態でまず混乱するのは患者自身でしょう。
『新型うつ病』という言葉の使用には、慎重になったほうがよいと言わざるを得ません。

(新型うつ病ってどんな状態を指すの?)
何に対して『新型』なのか、と言われれば、一般的によく知られているうつ病に対して、となるでしょう。
これまでのうつ病は気分の落ち込みが病的に激しく、布団から起き上がれなかったり趣味すら楽しむことができなかったりするなどの症状と、自罰的で自分を責めがちな真面目な人がかかるものというのが一般的に知られた部分だと思います。
ですが新型うつの人は、その気分の落ち込みが仕事など特定の状況で発生し、趣味など好きなことは楽しむことができる、他罰的で攻撃性があるなど、これまでのうつ病とは全く異なる特徴を持っています。
しかし、変化に弱かったり、不眠などの身体的症状が現れたりなど、従来型のうつ病と似た特徴も持っています。
一見、嫌なことだけ回避して好きなことには熱心である我侭な人に見えることもありますが、育った環境などが複雑に絡み合った結果そうなってしまったわけで、本人にとってはつらい部分もたくさんあります。
嫌なことを回避しようとするのは自信を感じられないからで、非常に打たれ弱く、他人の評価を必要以上に気にしすぎ、傷つきやすい人であるとも言えるでしょう。
従来型のうつ病と同じく、心療内科や精神科での投薬治療、カウンセリングが必要な状態です。

(『新型うつ病』とされる症状で苦しむ人がいるのも事実)
たとえ正式な診断名ではないとしても、いわゆる『新型うつ病』とされる症状で苦しむ人たちがいるというのもまた事実。
ここで大切なのは、まず患者が苦しんでいるという事実を知ること。
新型うつ病はよく『単なる甘えではないか』『わがまま病』などとレッテルを貼られ、中傷の対象とされやすいのが現状です。
また従来型のうつ病と混同し、『うつ病は甘え』という極端な結論に達する人もいます。
本人にとっても周囲にとっても適切な治療を受けることが望ましい状態であり、まずその事実を知って理解し、医師などに相談するよう本人に助言するなど、気にかけてあげること。
ただ非難するばかりでは患者は心を閉ざし、どんどん攻撃的になったり嫌なことから逃げ出してしまう一方です。

(新型うつ病とイコールとされやすい『非定型うつ病』)
ところで、新型うつ病と同義のものとしてよくあげられるのが『非定型うつ病』です。
新型うつ病という言葉自体が曖昧な状態で、同義のものとすることは非常に危険と言えますが、非定型うつ病は以前からある病気で、従来型のうつ病とは違う特徴を持っています。
まず身体的な症状として、従来型のうつ病では不眠、食欲不振などが現れますが、非定型うつ病では逆に眠りすぎてしまう過眠、食べ過ぎてしまう過食が発生します。
また、気分の落ち込みなどの症状がその場の状況に非常に左右されやすく、気分のいい時は趣味などを楽しむこともできます。
さらに、感情のコントロールが難しく、人付き合いで困難な状況に陥ったり、嫌な記憶が突然蘇るフラッシュバックを起こすこともあるなど、大変苦しい一面も持っています。
非定型うつ病の人はパニック障害を併発していることも多く、電車やエレベーターの中、人ごみの中など逃げられない状況下で、激しい動悸やめまい、手足の震えや言い知れぬ恐怖心が引き起こされ、外出が困難になってしまう人もいます。

新型うつ病はまだまだ曖昧な表現ですが、当事者が大変な苦しみを抱えていることだけは事実です。
それぞれがまず正しい知識を身につけ、安易な気持ちでの決め付けなどは避けていきたいですね。

うつの極端な落ち込みって? うつ病と普通の落ち込みはここが違う!

うつ病について、『極端に気分が落ち込むこと』だという認識の人は少なくないと思います。
でもその『極端に』ってどれくらい? 普通に暮らしていて気分が落ち込むことなんて誰にでもあるけど? そんな風に思っている方もいるのではないでしょうか。
またそうした認識が『うつ病なんて気の持ちようだ』という考えに繋がっているとも言えるでしょう。
ですがうつ病は、通常の『落ち込み』とはかなり違った一面を持っているのです。

(うつ病はなかなか気晴らしができない)
例えば、日常生活を送っていて気分が落ち込むことは誰にでもあると思います。
家族や友人と喧嘩した、上司に叱られたといったよくあることから、恋人と別れたなどの大変大きな出来事まで、様々なことが原因で人は落ち込みます。
ですが、そうやって落ち込んでいる時に、気心知れた人から『気晴らしにどこか行こう』と誘われたら、あなたはどうしますか?
『ここで腐っててもしょうがない、ぱーっと遊んで元気になりたい!』『とにかく今の状況から離れたい、忘れたい!』そんな気持ちから誘いを受け、気晴らしに出かけることができますか?
もしくは『今日は一日あなたの話に付き合うよ』と言ってくれる友人に、つらい胸の内をぶちまけることができますか?
ここで『できる』と答えたあなたは、普通の落ち込みです。
うつ病と普通の落ち込みが違う決定的な違いは、まずこの『気晴らしができるかできないか』にあるかと思います。
うつ病の場合、気晴らし以前に体が動かなくなり、出かけることもできなくなります。
また人と会話するのも億劫になり、話を聞いてあげると言われても心のうちを話す気持ちになれません。
適度にストレス解消をすることはうつ病の治療でも大きな課題になってきますが、病気をある程度回復させないと、ストレス解消すら難しいのがうつ病の特徴です。

(うつ病の落ち込みは自分を責めるほうに向いていく)
あなたが恋人と別れたとしましょう。別れたばかりの頃、あなたはご飯も喉を通らず、悲しい日々を過ごすことになるかもしれません。
ここで注目して欲しいのは、あなた自身の落ち込みの内容。
別れてしまったことが悲しいのはもちろんですが、『私がもっとしっかりしていれば』『私がこんなふうだから』などと自分をどんどん責めていませんか?
相手にだって悪いところがあった、こういうところは向こうだって悪いじゃないか、などと相手を責める気持ちはどうですか?
自分のことばかりをひたすら責め続ける人は、要注意です。
うつ病の落ち込みは、考えれば考えるほど『自分の欠点』が目に付き、どんどん自分を責める方向に考えが傾いていきます。
そして最終的には『自分はもう死んだほうがいい』などと極端な自虐に辿り着いてしまうのです。
このようなケースでまず自分のことを責めがちな人は要注意。うつ病になりやすい傾向の性格かもしれません。

(うつ病の落ち込みは時間の経過で回復しない)
つらいことがあった時『時間が一番の薬』だと言われたことがありませんか?
その言葉どおり、つらい出来事があっても時間とともにその傷は癒され、記憶も少しずつ薄れていくもの。
ですがうつ病の人というのは、時間がいくら経過しても傷を癒すことができず、落ち込みが継続し続けます。
時間の経過で最初に感じた悲しい気持ちとは違うものに変化し、特にはっきりとした理由がないのに『私は駄目な人間で、死んでしまったほうがいい』などと思い詰め続けることもあります。
一ヶ月、二ヶ月……場合によっては数年単位で落ち込みが続き、苦しい思いをしながらどうにか生きている……という状態に陥ってしまうのです。
通常の状態の落ち込みでは、落ち込んだ気持ちをそれほど長期間、重く引きずることはありません。

(身体的な症状が病的)
落ち込んだときに食欲がなくなったり、いまひとつ眠れなくなったりすることは誰にもあることでしょう。
うつ病の人は、これらの症状が一時的なものではなく日常化し、また病的なまでに重くなることも特徴のひとつです。
何週間も不眠に陥ったり、食欲がないどころか空腹感すらあまり感じなくなったり……。
通常の落ち込みだと数日から一週間程度で落ち着くような体の症状が、長い期間にわたり起きるのです。
特に不眠はうつ病患者が陥る特徴的な身体的症状。寝つきが悪い、寝ても途中で目が覚めてしまうような状態が何週間も続くと、脳が休養をとれず本人は非常につらいです。
もし落ち込みによる身体的症状が長引くようなら、気をつけておいたほうがいいでしょう。

自分の状態が一時的な落ち込みなのかうつ病なのか、本人ではなかなか気付きにくい部分ではあります。
ですが自分とよく向き合い、客観的に分析することで、より自分の状態が見えやすくなるでしょう。

一歩引いて考える~周囲の助言に捕らわれすぎない心のあり方

うつ病になったと周囲に告白した時、話を聞いたあなたの家族や友人、知人たちは、あなたを心配して様々なアドバイスをしてくることがあると思います。
『うつに頑張れは禁句』というのは随分広まりつつありますが、実は不用意なアドバイスが患者にとって危険なものであると知っている人はまだまだ少ないでしょう。
そんな、一歩間違えばうつを悪化させかねない『周囲からのアドバイス』と上手に付き合うには、どうしたらよいのでしょうか。

(まずは『悪意からではない』ことを理解する)
まず大切なのは、自分にとって辛辣なアドバイスとはいえ、相手は決して悪意から言っているわけではないことを知りましょう。
ここで『この人はうつ病のことを理解していない』『こんなに辛いのにどうしてそんなことを言うのだろう』とマイナスの方向に考えてしまっては、その人との間に心のしこりができてしまいます。
『この人はわかってないだけで悪気があるわけじゃないんだ』と思うだけで、捉え方は随分変わってきます。
それに、中にはうつ病患者を知った上での、有効なアドバイスもあるかもしれません。
今は心に余裕がなくても、あなたがある程度回復した時に、その言葉があなたの心をよくするヒントになり得ることもあります。
ただ心が疲れ果て、今この瞬間はそれに耳を傾ける余裕がないだけなのです。

(アドバイスはあくまで助言で『義務』ではない)
うつ病患者へのアドバイスが何故よくないのか、といった理由を考えるときに、まず上げられるのが『患者がそれを義務と思って、できない自分を責めてしまうから』という点があります。
うつ病にかかる人はつい頑張りすぎてしまう傾向にあり、また頑張れない自分はだめな人間だとマイナス思考に陥りやすい状態です。
患者のあなたに心に留めておいて欲しいのは、『アドバイスは義務ではない』ということ。
アドバイスはあくまでも、相手の考え方を基準とした助言にすぎません。絶対にやらねばならない必要はどこにもないのです。
相手がせっかく助言してくれたのに……と、それを実行できない自分を嘆く必要もありません。
たとえアドバイスを受けたからといって、それをするしないの選択権はあなた自身の手にあるのです。

(信頼する人からのものこそ一歩引いて考える)
場合によっては、あなたが心から信頼する人から、うつ病についてのアドバイスをされることがあるかもしれません。
ですが、信頼する人だからこそ一歩引いた目で見ることが肝心です。
信頼する人の言うことだと、どうしても心の中で『この人の言うことなら』という補正がかかり、仮にその人のアドバイスが間違っていたとしても信じて実行しようとしてしまうことがあるからです。
例えば、『薬は中毒になるから飲まないほうがいい』とアドバイスされ、それを真に受けて医師に相談もなく勝手に薬を止めてしまい、急な断薬によって重い副作用が引き起こされることなども考えられます。
あなたの信じるその人は、あなたを大切に思うからこそアドバイスをしてくれるのでしょうが、だからこそ一歩引いた目で見ましょう。

(情報の取捨選択をする)
あなたがもらったたくさんのアドバイスは、全て正しいこととは限りません。
助言にはどうしてもその人の主観が入りますし、アドバイスをくれた人が間違った情報を正しいものだと勘違いしている可能性もあります。
もし、実行してみようかなと思えるアドバイスがあったとしても、まずそれをしても治療にマイナスの影響がないか、自分自身で情報を吟味して取捨選択しましょう。
薬や治療そのものに関するアドバイスなら、医師に相談してみてもいいと思います。
そして何度も言いますが、人からもらったアドバイスは義務ではないため、必ずそれを実行する必要もありません。
まずはあなたの体調を第一に。

(医師とはよく話し合う)
あなたにアドバイスをくれる中で最も信頼を置いていいのは、主治医だと思います。
医師はそれまでの治療の経験や知識などから、適切な助言をしてくれますし、薬の服薬などについては医師に従わないと副作用などで大変なことが起きることもあるでしょう。
ですが、これは医師の言いなりになれという訳ではありません。
疑問、納得できないことがあれば、あなたが理解し、納得できるまでとことん医師と話し合いをしてみましょう。
それを放棄してただ鵜呑みにするだけでは、あなたの治療に重大な支障をきたすことにもなりかねません。
特に服薬の量などに関しては、処方された薬をただ飲むだけでなく、自分でも薬のことを調べてみるくらいのことをしてもいいくらいです。
十分に話し合いをしながら医師と患者が二人三脚で行うのが、適切な治療と言えるでしょう。

うつ病治療最大のハードル!?うつを理解しない家族と付き合う方法

本人はとても苦しいのに、周囲になかなか理解されない……甘えだと言われてしまう。
うつ病はまだまだ一般的にその苦しさが理解されづらい病気だと思います。
それはあなたの友人、職場の人だけでなく、家族にも言えること。実際、家族の理解をなかなか得られず、そのことが大いにストレスとなっている患者はたくさんいます。
ではそんな家族にうつ病のことを理解してもらうにはどうしたらよいのでしょう。
理解してくれない家族とどう接したらよいでしょう。
私自身の体験から、お話したいと思います。

(家族の理解を得られないことで起きる弊害)
家族にうつ病を理解してもらえないことは、治療の上で様々な弊害があります。
ある意味、うつ病治療において最大のハードルともいえるでしょう。
まず、あなたが未成年の場合、家族の理解が得られなければ通院そのものが困難となり、適切な治療が受けられない可能性があります。
そしてたとえ成人していても、家族が通院にいい顔をしなかったり、『甘えてる』『怠けている』などの無理解からくる言葉をかけられたり、仕事をなかなか辞められない、退職しての自宅療養が落ち着いてできないなど、多くの困難があります。
本来家庭というのは最も落ち着ける場所であり、家族は一番信用できる相手であるはずなのですが、無理解によりその法則が崩れ、家庭内にいることでさらにうつが悪化してしまうこともあります。

(まずは自分で家族に伝える)
ただ黙っていても、家族にあなたの辛さは伝わりません。
まずは自分の言葉で、あなた自身の状況や辛さなどを伝えてみてください。
ただ淡々と話すだけでなく、感情を爆発させてしまっても構いません。話すことで感情がこみ上げて号泣してしまっても、あなたの言葉でまず伝えるということは大切です。
そして、ここで家族に理解を得られなければ、おそらくあなた一人の力で理解してもらうのは難しいと思います。

(主治医に説明してもらう)
自分の言葉で伝えても理解してもらえなかった場合、主治医に協力を得ることを考えてみましょう。
半ば強引でもいいので、通院時に家族に一緒に来てもらい、診察の際主治医の説明を聞いてもらうのです。
家族の無理解は治療に大きな支障をきたすため、主治医に相談して家族への説明をお願いすれば、断られることはおそらくありません。
むしろ、病気の説明を家族にすることを渋るような医師の場合、転院を考えたほうが良いかもしれません。
最大の問題はどう言って家族に来てもらうか。場所が心療内科や精神科というだけで、行くのを嫌がる人もいます。
通院そのものに否定的な場合は、付き添ってもらうのは非常に困難でしょう。
『自分がどういう所に通ってるか見て確認して欲しい』などと理由をつけて、付き添ってもらえるよう試みましょう。
ここでも駄目なら、さらに協力者を求めることになってきます。

(『家族が信用している人』に説明をお願いする)
あなた自身の信頼をおいている、それでいてあなたの家族からも厚い信頼を寄せられている第三者にまず理解してもらい、その人から家族へ説明してもらうという手段もあります。
特に家族の反対などで通院が困難な場合は、医師による説得は難しいでしょうから、この手段を使うことになるかと思います。
親戚、祖父母など、特にあなたの両親と深く関わりのある人が有効です。まずは外堀から埋めていく形ですね。
あなたの家族が無理解だからといって、親戚や祖父母なども無理解であると決めるけるのは早計です。
もしかしたら、親戚にうつ病の苦しみを知っている人がいるかもしれません。
最後まで望みは捨てずに、第三者に協力を求めることも大事なことです。
まずは信用のおける親族に、『相談したいことがあるんだけど……』と切り出してみて下さい。

(誰の協力も得られない!そんな時は家族以外に理解者をつくる)
親族へ相談してみたけどだめだった、結局家族に理解してもらうことは難しそうだ……ある程度の手を尽くしても家族の理解を得ることが難しい場合は、それに固執せず一度引きましょう。
ですが周囲に誰も理解者がいない状況は、本人にとってかなり辛いもの。
そんな時はあなたの友人、知人など、あなた自身の交友関係の中で理解者を作りましょう。
勇気のいることですが、まずはあなたの状況を深刻になりすぎないようにしながら話すこと。
黙って膝を抱えたまま『誰もわかってくれない……』と嘆いても、周囲はあなたの心が読めるわけではありません。
まずは知ってもらう勇気を持つことと、知ってもらうための行動を起こすこと。
うつで動けないのに……と思う方は、『よし、通院しよう』と決意した瞬間、職場に退職や休職の意思を伝えた瞬間など、自分が最近した大きな決断の瞬間を思い出してみてください。
それを思い出しながらもう一歩、踏み出してみましょう。

(理解しない家族は『そういう人』だとこちらから理解する)
家族の理解をどうしても得られなかった場合、それに固執しすぎることはよくありません。
固執することでだんだん『家族に理解してもらうこと』を『課せられた義務』だと思い込み、それができない自分は駄目な人間だと、自分で自分を追い詰める原因となってしまいます。
冷たいようですが、こちらからどんなに歩み寄っても理解してくれない家族は、その件に関してすっぱりと切り捨てましょう。
そして、あなた自身が家族のことを『この人たちは、うつを理解できない人たちなのだ』と理解し納得することが、非常に重要となってきます。
例えばはさみを渡されて、『これで流れる水を二等分にして下さい』と言われても、できないでしょう? それと同じ、もともとそれができない存在なのだと理解すれば、家族の無理解に対する悲しみの量を減らせます。
ですが浴びせられる言葉などはやはりつらいですよね。
そこで溜まったストレスは、あなた自身の理解者や主治医に聞いてもらうなどして発散していきましょう。

無理は禁物!焦らないでゆっくりと~うつ病療養中の過ごし方

うつ病にかかり仕事を辞め、もしくは休職して自宅で療養したとしても、体が動かない……毎日寝てばかりだけどいいの?と不安に思う方も中にはいらっしゃると思います。
ゆっくり休んでくださいと言われても……いつまでそうしていたらいいのか……本当に元気になれるの?
うつ病になったばかりの頃は、過去の自分と今を比較してより『自分は駄目な人間だ』と悲観的になりやすかったり、投薬も始まったばかりで症状が落ち着かなかったりするものです。
そんな時、どんな風に療養生活を送ったらいいのでしょうか。

(無理して動かない!きつい時は寝ててOK)
『休養を』と言われても、本当に毎日文字通り寝てていいのだろうか……。
たとえうつがひどくて体が動かなくても、そのように気にしてしまう方はいます。
ですがそこは気にせず、寝ていて大丈夫。日常生活や睡眠のリズムは今後取り戻していくべきことですが、まずは疲れ果てた心をしっかり休ませてあげること。
脳の機能も落ち、肉体的にも精神的にも、うつ病は非常に疲れます。
投薬治療が始まり、ある程度薬の効果が現れるまでは通院とトイレ以外寝たきり……という方もいますが、初めのうちはそれでも大丈夫です。
あなたは足を複雑骨折した人に、手術の翌日『一人で歩け』とは言えないでしょう?
うつ病にかかった心は、複雑骨折しているのと同じこと。あなたは病気なのです。まずは休みましょう。

(調子がよくなってきた? 薬の効き始めが一番無理をしやすい)
投薬治療が進み、ある程度気持ちが回復して動けるようになってくると、これまでの焦りから無理にあれこれしようとする人もいます。
また、家族が『動けるんだったらやりなさい』と家事やその他の用事を強要することも。
ですがこれは大変危険なことです。
薬の効き始めは、まだあくまでも薬の効果でどうにか立っていられるような状態。とてもまだ家事や用事などを一人でこなす時期ではありません。
ここで無理をするとまた疲れ果て、始めに逆戻ってしまうことだってあります。
無理は禁物です。家事などをするにしても、疲れない範囲で自分のできることから少しずつ、始めていきましょう。

(自宅でもできる方法でゆっくり心を癒すことから)
心を休養させるために、うつの初期の頃には布団に篭って寝ていることも多くあると思います。
ですがずっと動かず、使わないままだと脳の機能はどんどん低下してしまいます。
まずは、布団の中でもできることから始めましょう。今日は動けそうだなと思った時に、手足を曲げ伸ばししたり、布団の上に座ってストレッチをしてみたり。
カーテンと窓を開けて外の空気を吸うだけでもずいぶん違います。
窓の外の変化していく空や風に揺れる街路樹を黙って見ているだけでも、脳にはゆっくりとした心地よい刺激になります。
横になって好きな音楽を聴くことも良いでしょう。
散歩やジョギングなどはさらに調子が回復してから。まずは布団から、次に自室で、そして自宅の中で。
いきなり範囲を広げようとせず、少しずつゆっくりと行動範囲を広げていきましょう。

(休養期間は充電期間と思おう)
でも遊んで怠けているように感じる……そんなあなたは、この休養期間を充電期間だと思ってみてください。
人間だって心をすり減らすばかりでは、いつかはそのエネルギーは尽きてしまいます。
ゆっくり休んだり気分転換をしたり、自然や音楽などに触れてそのエネルギーを充電することは、想像以上に必要で大切なことなんですよ。
あなたは今までそんな余裕すらなく頑張ってきたのですから、心が満タンになるまでゆっくりと充電する必要があるのです。
時間はかかるかもしれませんが、まずは焦らないこと。
できることは充電しながらも少しずつやっていけばよいのですから。

(でも仕事をしないと暮らしが……困ったことは一人で抱えない)
そうは言っても、仕事をしないと暮らしが……貯金にも限界が……と現実的な問題も降りかかってきます。
一番の問題はお金で、それがないと通院すらもままなりません。
そんな時は絶対に一人で抱え込んで悩まず、自治体の福祉課や通院している病院、精神保健センターなどへ相談してみてください。
一人で抱え込み、無理して仕事を始めたとしても、また悪化して振り出しに戻ってしまうことも。
ひどい場合は最初よりもっと悪くなってしまうことだってあります。
お金の相談をするのは恥ずかしい、などと思っているあなた、今は誰もが不安定な暮らしをする時代です。
ほんの一時のプライドと、あなたのこれからの心の健康と天秤にかけられますか?
仕事を始めたいと思う場合はまず主治医に相談を。仕事は無理そうだという時は、自治体などへ相談を。
一人きりで抱えない、一人きりで決めてしまわないことが大切です。

療養中はとにかく無理は禁物。あなたは病気なのですから、布団に横になっていても決して怠けているわけではあいません。
むしろ休むのがあなたが今やるべきことと心得て、ゆっくり治していきましょう。

オール・オア・ナッシングは脆いもの!?うつになりやすい完璧主義者

完璧主義者――その言葉にはなんとなく凛としたイメージがありますが、その実情はどうなのでしょう。
ゼロか100かのオール・オア・ナッシングの考え方は、時として窮屈ではないのか……なんて思うこと、ありませんか?
実を言うとうつ病患者の中に、このゼロか100かの完璧主義者が多くいるのです。
しかも、本人は無意識であることが多い実情が、事態をよりややこしくしてしまうという状況。
あなたはどうですか? 完璧主義の考えに捕らわれすぎてはいませんか?

(完璧でないことに戸惑い、恐れる)
うつ病を引き起こすような完璧主義者は、一見完璧で主義であるようで実は深い恐れの心があります。
『失敗してしまったらどうしよう』『うまくやらなければ』そんな、一種の強迫観念とも言える『完璧でなくてはならない』という考えに捕らわれて、失敗を極端に恐れ、人目や他人からの評価を非常に気にします。
そして彼らは、常に完璧であろうと必死に努力します。
それは他人から見ると『どうしてそんなことを一生懸命やろうとするのか』と思えるほど、些細なことかもしれません。
ですが本人はそれを完璧にこなそうと必死です。失敗は彼らにとって怖いことだからです。
彼らにとって失敗はゼロ、そして成功すれば100……のはずですが、たとえ成功したとしても、どこかに失敗はなかったか、極端なまでの粗探しをしてしまうのが、困ったところです。
失敗が怖いからこそ、どこにも粗がないことを何度も確認して、結果それが粗探しになるのです。

(対人関係にまでオール・オア・ナッシング)
このような完璧主義者は、対人関係にもそれを持ち出すことがあります。
しかしゼロか100かの人間関係というのは、対人トラブルを非常に引き起こしやすいといえます。
『一切の付き合いを絶つか、家族のような親しさを求めるか』といった、極端な付き合い方しかできないため、他人との距離をうまくはかれずトラブルの原因となってしまいます。

(完璧を求めすぎて陥るうつの罠)
上記のような極端な完璧主義者は、失敗を恐れるあまりに完璧を求め、それ故非常に気疲れしやすい状態にあります。
常々『うまくやらなければ』と気を張り、自分のしたことの粗探しを細かに行って、その結果些細な失敗に気がついて落ち込む……といった行為を繰り返している彼らは常に疲弊しています。
また、他人から見たら本当に些細な失敗でも彼らにとっては『ゼロ』になってしまうため、『自分は何もできない人間だ』『だめなやつなんだ』と思い込みがちで、非常にうつ病を招きやすいと言えるでしょう。

(完璧主義になってしまう悲しい背景)
では何故、そんな完璧主義になってしまうのでしょうか。
本人の元々持っている気質的なものもありますが、完璧主義者の多くは小さい頃に『失敗が許されない』状態で育った傾向があります。
厳格で完璧であることを両親から求められたケースや、『いい子の私』でなければ親に振り向いてもらえなかったケースなど、完璧主義の裏側には悲しい子供時代の背景が眠っていることが多いのです。
そうした環境で育った子供は『自分はできる人間でなくてはならない』『失敗は許されない』『全て完璧でなくてはならない』など歪んだ物の見方しかできず、成人してから非常に生き辛い、厳しい状態に置かれるわけです。

(何事も『ほどほど』くらいで丁度いい)
完璧主義なあなたへ、よく考えてみてください。
何故あなただけが完璧でいなくてはならないのでしょうか。
あなたの周囲にいる人たちは、それほどまでに完璧ですか? そうではないはずです。
なのにどうしてあなただけが……?
『完璧でいないと意味がない』という考えに捕らわれ、視野が狭くなっている時には気がつきにくいものですが、一歩引いたところで他の人たちと自分を比較してみましょう。
そして、何故自分は完璧を求めてしまうのか、その理由を考えてみてください。
その基準は誰かに求められたわけではなく、あなた自身が作り出し、自分で自分の首を絞めているものではありませんか?
失敗がないことは素晴らしいことですが、失敗しても人はそこから学ぶことができ、ゼロではありません。
また一度失敗したからといって、この世界の全ての人から軽蔑されることもありません。
それどころか自分の基準にガチガチになることで、人から敬遠されてはいませんか?
人生『ほどほど』くらいが丁度いいもの。あなたの完璧主義は、本当にあなたが望んだものなのか、あなたにとって必要なのか、もう一度考えてみてくださいね。

あれ?治ったと思ったのに……うつの再発・再燃にご用心!

うつ病の怖いところといったらあなたは何を思い浮かべますか?
自殺率? なかなか治らないところ? 様々な症状が出て動けなくなること?
それらも確かに大変怖いものですが、実は他に大変怖い一面がうつ病にはあるのです。

(なんと再発率60%! うつ病は再発リスクが非常に高い)
うつ病の隠れた一面として、再発率の高さがあります。その再発率、なんと60%!
一度うつ病にかかってしまうと、その半数以上が再発を経験していることになりますが、これは他の病気と比べて非常に高い数値。
『もう良くなった』と思っても油断ならない、やっかいな病気であると言えますね。

(何故再発してしまうの?)
再発には様々な原因が考えられます。まず、うつ病を発症した環境に戻った場合。
例えば職場環境が原因でうつ病にかかり、治療して完治した後、同じ職場に復帰した時に再発する例がまさにこれです。
自分は病気を克服しても、うつの原因となった環境はいまだ変わらず、再びその中におかれることによって、また以前と同じ、強いストレスを感じることになってしまい、再発リスクは高くなります。
また、病気は治っても、うつ病になりやすいネガティブな考え方のくせが抜けず、たとえ元々のうつの原因から遠ざかったとしても、また似たような出来事が起きたり環境におかれたりすると、それが新たなストレスとなって再発することもあります。

(再発しても冷静に治療を!)
しかしながら、うつ病が再発したからといって、『せっかく治ったのに……』と重く気に病んだり焦ったりするのはよくありません。
再発するのは当たり前というくらいの数値ですから、逆に気にしてネガティブになってしまうほうが、患者本人にとっては負担となります。
たとえ再発をしてもまずは冷静に。再発はうつ病患者の半分以上が経験していることです。
そして、再発しても多くの方が再度の治療でまた元気になっておられるのも事実。
自分の状況を把握したら、完治した以前の病院へ連絡し、再発の旨を伝えましょう。
この時、安易に病院を変えないほうが良いです。一度は完治まで行くことができた病院なら、医師との信頼関係も築けているでしょうし、安心です。
違う病院へ行ってまた医師との信頼関係をいちから築いていくよりは、ずっと早く積極的な治療に取り組むことができます。

(再発しないためにできること)
うつ病を再発させないためには、まずきっちりと治療をしておくこと。
治療の終盤になって調子のいい状態が続くと、『もう大丈夫、治った』と通院を勝手にやめたり、処方された薬を自己判断で飲まずに捨ててしまう人がいます。
しかし一見直ったように見えても、それはまだ完治ではないため、些細な切っ掛けで再びうつ病になってしまう危険が大いにあります。
治療は必ず医師が『もう終了しても大丈夫』と判断するまで続け、薬もきちんと飲みましょう。
また、うつ病のきっかけとなった原因そのもの……職場環境や人間関係などを改善することも大切です。
うつ病が治っても発病したきっかけがそのままでは、それを引き金に再びうつ病になってしまうことは多々あります。
職場環境が原因ならまずは復帰する前に職場との話し合いを。どうしても折り合いがつかなければ転職も視野に入れて考える必要があります。
人間関係なら、原因となった関係に近づかないなど、付き合い方を変えるなどの対策を考えましょう。
さらに、投薬治療だけでなく認知療法やカウンセリングなどを行い、ネガティブな考え方のくせに気がつき、直していくことも大切です。
新たなストレス源を目の前にしたとしても、うつになりやすい考えのくせが抜けていれば、より冷静に、ストレスに対して対処しやすくなることでしょう。

(治療中に再び悪化することもある)
ところで、きちんと通院もし、薬も飲んでいて回復傾向にあったのに、治療中にまた具合が悪くなってしまうこともあります。
これを再燃といいますが、仮にそうなったとしてもあまり深刻に受け止めすぎないで下さい。
なぜならうつ病は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々によくなっていく病気だからです。
『元気になったから』と遠出したり、仕事に出てみたり、再燃する切っ掛けは様々ですが、『無理をしてしまった』後に起こりやすいように感じます。
再燃してしまったら、再び動けるようになるまで安静にしてゆっくり休み、回復を待ちましょう。
担当医に再燃したことを相談してみても良いと思います。

生理周期と共に現れる女性特有のうつ~月経前症候群って?

ずっとではないけれど、月に何日か訳もなく憂鬱な時がある、時には死にたいとさえも……もしかして私、うつ病なのかな?
そうお思いのあなた、ちょっと待ってください。
あなたが女性である場合、それは月経前症候群……いわゆるPMSかもしれません。
最近女性の婦人科疾患が非常に増えています。定期的にやってくる理由のわからない抑うつ状態、それは一定の周期でやってきませんか?

(月経前症候群とは)
生理周期に伴い、主に排卵から生理開始までの間、身体的または精神的にさまざまな症状が現れることを、月経前症候群、PMSと呼びます。
身体的な症状としては腹痛、腰痛、便秘、むくみなどがよく知られていますが、同時に精神的な症状が強く表れ、一時的にうつ病のようになる方も中にはいらっしゃいます。
ですがPMSの症状は生理周期に伴って起こるものであり、抑うつ症状が毎月現れるからといってうつ病というわけではありません。
しかしながらたとえ数日間でも、死にたい気持ちや何事にも興味が持てない、訳もなく涙が出たりイライラするなどの症状は、本人にとっては非常に辛いもの。
PMSがどのようなしくみで起こるかは、その症状があまりに多岐に渡っている面もあり、詳しいことはまだはっきりしていません。
しかし女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが、脳内の癒し物質、セロトニンの分泌に関わっているからだとする説もあり、それが一時的な抑うつ状態を引き起こすのだとも考えられます。

(うつ病とPMSの違い)
うつ病とPMSが決定的に違うのは、抑うつ状態が継続するかどうかです。
PMSは生理周期と深く関わっているため、数日から一週間程度で抑うつ状態は自然と収まり、また普通に過ごすことができるようになります。
しかしうつ病では、抑うつ気分が自然と収まることはなく、憂鬱な気持ちはずっと継続します。
またうつ病では不眠に陥ることが多くありますが、PMSの場合、逆に眠くなることが増え、また食欲も増します。
ストレスを発散させるために食べようとするのではなく、体が自然と食べ物を要求するのです。
毎月毎月、決まったようにうつ病のような症状が現れ、またその時眠くなったりやたらおなかがすいたりする人は、PMSの可能性が非常に高いですので、その症状が辛いようなら婦人科の医師にまず相談してみてください。

(PMSの治療について)
PMSは主に婦人科の分野になり、治療も婦人科で行うことが多いです。
生理周期を整え、症状を軽くするために用いられるのは主に経口避妊薬、いわゆるピルです。
ピルがPMSに効くの!?という方もいるでしょうが、ピルは子宮内膜症など病気の治療にも使われる薬です。
生理周期とホルモンのバランスを整え、生理による症状をコントロールしやすくするのです。
また、うつの症状がひどく出る場合、状況によって軽めの抗不安剤などを頓服として処方されることもあります。

(女性は男性よりうつ病になりやすい?)
一般的に女性は男性よりうつ病になりやすいと言われており、その比率は男性の二倍であるとする統計もあります。
前述した、女性ホルモンがセロトニンの分泌に関わっているという説もですが、女性は男性よりもホルモンの影響を多く受けており、出産や子育てなど、生き物としての変化や本能的なストレスなどがより大きいからだとも言われます。
同時に、うつ病の症状をPMSなどの婦人科疾患やホルモンバランスのせいだと勘違いし、通院や治療が遅れてしまうことも十分に考えられますので、おかしいと思ったらまずは病院の門を叩いてみてください。
PMSの場合、抑うつ気分が何週間も何ヶ月も続くことはありません。
たとえ翌月またそういう気分になっても、間には普通に過ごせる時期があるはずです。

まずは自分の体の周期をよく知り、症状を観察することが必要です。カレンダーなどに書いておくのもいいですね。
生理周期と共に、毎日の体調や精神状態をメモしておけば、PMSかうつ病なのか、より気付きやすいと言えるでしょう。

溜め込まないでその怒り!怒りの心を溜めるとうつになる!?

普段暮らしていく中で、イラッとする瞬間、怒りを覚える瞬間というのは誰にでもあるでしょう。
では、そうした怒りを感じた時、あなたはどうしていますか?
怒りの心をきちんと吐き出せてますか?
実は怒りを我慢して溜め込んでいると、心がどんどん弱っていくのです。

(怒りの感情は溜め込んではいけない!)
うつ病になりやすい人に、人の顔色を伺ってしまう、他人の評価が気になってしまう人というのがいます。
そういう人は『怒り』の感情を持った時、外に出さずに我慢してしまう傾向にありますが、実はそれは大変危険な行為です。
怒りの心を溜め込んでいくと、人の心はどんどん疲れていってしまいます。
『怒り』は人を動かすための強烈なエネルギーのひとつ。それを心にしまいこんで抑えつけるわけですから、それには途方もない心のエネルギーを消費してしまうのです。
怒りは溜め込んではいけません。蓄積させず、外に吐き出していくべき感情なのです。

(吐き出せないとどうなるの?)
怒りの感情を吐き出せず心に溜めたままにしておくと、どうなってしまうのでしょう。
前述したとおり、怒りというのは強烈なエネルギーです。
怒りに駆られて人は時折取り返しのつかないことをしてしまうことがありますが、そんな行動を起こさせるほど強烈なもの。
それを抑え込んで心にしまうためには、常時そのことに心のエネルギーが消費されてしまいます。
怒りを抑えることが慢性化すると、その消費は無意識のうちにどんどん行われ、気がつかないうちに心は疲れ果ててしまいます。
そして限界を超えてしまった時、心は……まさに骨折するようにぼっきりと折れ、心だけでなく体まで動かなくなってしまうことも。
そうなってしまってはもう、専門医の手を借りるしかありません。
元々怒りを抑えてしまう傾向にある人は、自己主張が苦手だったり他人の顔色を伺うことが多く、そういう人が限界まで怒りを溜め込んでしまった結果、心が疲れてうつになってしまうことも多々あるのです。
『滅多に怒らない温和な人』と言われていた人が、ある日ぷっつりと動けなくなってしまうような時は、このケースである可能性が非常に高いです。

(怒りで他人を攻撃しない)
怒りの感情は非常に大きな、爆発的なエネルギーです。
いくら吐き出したほうがよい感情だからといって、それをそのまま他人にぶつけてしまっては、場合によっては相手の心は大怪我してしまいますし、また相手も怒りを持って反撃し、取り返しのつかない事態に陥ることも。
怒りの感情が高ぶってきた時は、そのエネルギーにそのまま身を委ねるのではなく、一歩引いてその怒りを分析してみましょう。
自分は相手の何にこれほど怒りを覚えるのか、客観的に考えてみるのです。
頭に血が上っている時は難しいかもしれませんが、大きく息を吸って、冷静になってみましょう。
怒りを冷静に分析することと、怒りを抑えることは違います。
分析した結果、相手に伝えるべきと思ったことは冷静にきっちり伝え、それでも気がおさまらない時はそのエネルギーを気分転換で発散させましょう。

(あれ?私怒ってるの?自分の怒りに気付かない危険性)
ところで、自分の怒りに気付けない人というのがいます。
怒りを抑え込むのが当たり前となってしまった場合で、前述の『滅多に怒らない温和な人』にこのような人が多くいます。
そして同時に、これも前述している人の顔色を伺ってしまう人、自己主張の苦手な人であることも多いです。
彼らは温和なのではなく、無意識に理由をつけて『怒らない』ように心を抑えているのです。
ですが当人にとってはそれが当たり前となっており、自分自身の怒りそのものに気が付けないことが多々あり、そういう人は無意識に怒りを溜め込んで心のエネルギーをどんどん失っていくのです。
これは非常に危険なこと。
育ってきた環境などにより、怒りを抑える方向に心が作用するよう歪んでしまっているケースが多く、それを改善するには認知療法などでまず、自分の抱えている怒りに気がつく必要があります。
特に何か理由があるわけではない、でもどうしてこんなに憂鬱で体が動かせないのだろう……そんな方は、自分の怒りに気付かず溜め込んでいる可能性が大いにあります。
そこまで至ってしまうと、自分でどうにかするのは難しいため、専門家のカウンセリングなどを受けることを是非お勧めします。

吐き出すべき感情は上手に吐き出し溜め込まない。まずその感情に気がつくこと。
自分の心の動きに注視して、無理に抑えつけないことが大切です。