他人を責める症状のうつ病

自分を責めるのではなく他人や社会を責めてしまう傾向があるうつ病も

「自分はいなくてもいい人間なんだ」「誰も自分のことを必要としていない」など、従来型のうつ病は自らを責めてしまう傾向が強く見られることが大きな特徴となっていましたが、現代によく見られるうつ病である「新型うつ病」では、全く反対の症状が現れることが特徴的です。

従来型のうつ病は自分自身を責めてしまい、うつ状態に陥ってしまう症状が主に見られていました。しかし、新型うつ病の場合は、他人や社会を責めることでイライラ感を募らせていく症状が強く現れています。

もちろん、従来型のうつ病でも他人を責めてしまうような症状は見られていましたが、現代ではこのような症状の他にも仕事中はうつ状態、プライベートは元気、といった特徴を持った新型うつ病の発症傾向が多くなっていると考えられています。

特に20代や30代の若年層の発症率が高いとされ、会社に入ったばかりの新入社員や仕事に慣れてきたもののいまいち手応えを感じられないなど、仕事に対する何らかのストレスを抱えた状態がうつ病の発症に繋がっているとも考えられているのです。

仕事に限らず、心や身体に負担をかけることは大きなストレスとなり、うつ病を発症する原因となっています。

そのストレスの中でも大半を占めているのが仕事や学校、人間関係などです。他人や社会を責める際によく対象として挙げられるのが、職場や学校といった特定の環境です。

「こんな所にいるから自分はダメにになったんだ」「こんな会社に入らなきゃ良かった」「こんな学校にいる意味はない」など、現状の不満を職場や学校のせいにする傾向が強いため、すぐに会社を辞めてしまうような人も少なくありません。

このような若者は非常に多く見られるので決して珍しいことではありませんが、新型うつ病を発症している恐れがある場合は、今いる会社を辞めて別の職場で働き始めたとしても、また同じように職場の環境が悪い、上司は自分のことを分かってくれないなどと他人や環境のせいにしてしまうことがほとんどです。

一見すると実際に職場や上司が悪いようにも思えるのですが、このような状況が長期的に続いているような場合は、新型うつ病である恐れが高くなります。

他人や社会のせいにしてしまうことは、実際に他人や社会に問題があることもありますが、その問題に対する本人の心因的な問題が大きく関わっているため、しっかり治療をしなければいくら職場や学校などの環境を変えても問題は一向に解決されません。

新型うつ病は従来型のうつ病に比べて症状がわかりにくく、自分勝手な行動やただのわがままと思われることも少なくありませんが、他人や社会に対する不満や批判があまりに大きく理不尽なものである場合、何についても他人に責任転嫁をしてしまう、仕事の時は落ち込みがちなのにプライベートで遊んでいるときは途端に元気になる、というような場合には、一度心療内科や精神科の医師に診てもらうことをおすすめします。