うつ病の症状・チェックについて

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自分を責めるのではなく他人や社会を責めてしまう傾向があるうつ病も

「自分はいなくてもいい人間なんだ」「誰も自分のことを必要としていない」など、従来型のうつ病は自らを責めてしまう傾向が強く見られることが大きな特徴となっていましたが、現代によく見られるうつ病である「新型うつ病」では、全く反対の症状が現れることが特徴的です。

従来型のうつ病は自分自身を責めてしまい、うつ状態に陥ってしまう症状が主に見られていました。しかし、新型うつ病の場合は、他人や社会を責めることでイライラ感を募らせていく症状が強く現れています。

もちろん、従来型のうつ病でも他人を責めてしまうような症状は見られていましたが、現代ではこのような症状の他にも仕事中はうつ状態、プライベートは元気、といった特徴を持った新型うつ病の発症傾向が多くなっていると考えられています。

特に20代や30代の若年層の発症率が高いとされ、会社に入ったばかりの新入社員や仕事に慣れてきたもののいまいち手応えを感じられないなど、仕事に対する何らかのストレスを抱えた状態がうつ病の発症に繋がっているとも考えられているのです。

仕事に限らず、心や身体に負担をかけることは大きなストレスとなり、うつ病を発症する原因となっています。

そのストレスの中でも大半を占めているのが仕事や学校、人間関係などです。他人や社会を責める際によく対象として挙げられるのが、職場や学校といった特定の環境です。

「こんな所にいるから自分はダメにになったんだ」「こんな会社に入らなきゃ良かった」「こんな学校にいる意味はない」など、現状の不満を職場や学校のせいにする傾向が強いため、すぐに会社を辞めてしまうような人も少なくありません。

このような若者は非常に多く見られるので決して珍しいことではありませんが、新型うつ病を発症している恐れがある場合は、今いる会社を辞めて別の職場で働き始めたとしても、また同じように職場の環境が悪い、上司は自分のことを分かってくれないなどと他人や環境のせいにしてしまうことがほとんどです。

一見すると実際に職場や上司が悪いようにも思えるのですが、このような状況が長期的に続いているような場合は、新型うつ病である恐れが高くなります。

他人や社会のせいにしてしまうことは、実際に他人や社会に問題があることもありますが、その問題に対する本人の心因的な問題が大きく関わっているため、しっかり治療をしなければいくら職場や学校などの環境を変えても問題は一向に解決されません。

新型うつ病は従来型のうつ病に比べて症状がわかりにくく、自分勝手な行動やただのわがままと思われることも少なくありませんが、他人や社会に対する不満や批判があまりに大きく理不尽なものである場合、何についても他人に責任転嫁をしてしまう、仕事の時は落ち込みがちなのにプライベートで遊んでいるときは途端に元気になる、というような場合には、一度心療内科や精神科の医師に診てもらうことをおすすめします。

誰にも必要とされていない、自分の必要性を感じられなくなるうつ病

人は自分が誰かに必要とされていると感じることで安心感を得ることができます。誰かに信頼されている、誰かが自分のことを大切に思っていてくれている、と思うだけでも生きていく力になりますよね。

でも、時々はネガティブな気持ちになってしまい「自分は誰にも必要とされていない人間なんだ」と思ってしまうこともあるかと思います。

この感情が一時的なものであれば、誰かから優しい言葉をかけてもらったり、ストレスや疲れを解消したりすることで次第に薄れていくのですが、うつ病を発症している場合は「自分は必要とされていないんだ」と思うことが長期間続くことが特徴となっています。

誰でもネガティブな気持ちになることはありますし、気分が落ち込んだり憂うつになったりすることもあります。

しかし、ほとんどは時間が経つにつれて薄れていく感情なので、徐々に明るい気分を取り戻すことができるのであれば、その場合はうつ病ではありません。

ただ、自分の必要性についてネガティブに考えてしまうことが長期的に続くような場合は、うつ病を発症している危険性が高いと見て良いでしょう。2週間以上憂うつな気分や不安感が続いているという皆さんは、早めに医師に相談するようにしてください。

健康な状態では次第に気分は明るくなっていきますし、自分の力で元気を取り戻すことも可能ですが、うつ病の場合は気分を安定させるためにまず薬による治療が必要となります。

抗うつ薬などを主に使用する「薬物療法」によって、憂うつな気分を改善させていくことができるので、「うつ病かもしれない」と感じたら、早めに心療内科や精神科を受診するようにしましょう。

うつ病の症状は放っておいても治すことはできません。うつ病は「気分障害」と呼ばれる病気ですが、決して気の持ちようでどうにかなる症状ではないのです。

うつ病の患者は脳内物質の「セロトニン」が不足していると考えられているため、抗うつ薬によってセロトニンを補い、うつ状態を緩和させていくことが必要とされています。

うつ病は他人から見ると「本当に病気なの?」と思われてしまう程分かりにくい病気なのですが、本人の辛さは想像を絶するものです。

仕事や勉強を頑張りたいと思っても、自分が思った通りに頑張ることができないのがうつ病です。

人によっては今まで付き合ってきた性格に変化が見られ、まるで人が変わったように見られてしまうこともありますが、これもうつ病という病気がそうさせてしまっているため、患者本人が変わってしまったわけではありません。

うつ病は患者本人にとってもわけのわからない病気でもあるので、周囲の人々の理解をすぐに求めることは難しいことではありますが、うつ病という病気について知ることで症状の進行を抑制したり、あらかじめ発症を防いだりすることも可能ですので、うつ病を発症している患者が周りにいる皆さんは、うつ病について知ることから始めてみることをおすすめします。

身体のだるさ、動悸やめまいなど身体的な症状の変化にも目を向けて

「うつ病」と聞いた時にまず思い浮かぶのは、憂うつになる、気分が塞ぐなどの精神的な症状かと思います。もちろん、こうした精神的な症状はうつ病の典型的な症状ですが、うつ病を発症すると身体にも様々な影響が現われるようになります。

うつ病を発症した際に見られる身体的な症状としては、身体のだるさ、重さ、食欲不振、睡眠障害、頭痛、動悸、めまい、肩こり、便秘などの症状が挙げられ、女性の場合は生理不順になってしまうこともあります。

この中でも非常に多く見られているのは「睡眠障害」です。最近眠りが浅くなって夜中に起きてしまう、まだ起きる時間ではないのに明け方になると目が覚めてしまう、夜なかなか寝付けない、など睡眠に関する悩みが長期的に続いているようであれば、一度病院で診てもらうことをおすすめします。

不眠の状態が続くと様々な病気を発症しやすくなりますし、うつ状態もますます悪化してしまいます。

また、睡眠障害が現れていることからうつ病に発展してしまうケースも珍しくありませんので、睡眠に関して何らかの悩みを抱えている場合は早めに医師に相談してみましょう。

その他にも、朝起きるのが辛い、身体が鉛のように重くなってだるいといった症状も代表的なうつ病の症状です。

最初は「ちょっと疲れているだけ」と思うことも多いのですが、2週間以上同じような状況が続いているような場合は、うつ病を発症している恐れも考えられます。

もちろん、身体のだるさや重さなどはうつ病以外の病気を発症していることもありますから、まずはかかりつけの医師に診てもらい、問題がないようであれば心療内科や精神科を受診するようにしましょう。

身体的な症状はうつ病とは気付きにくく、ただの疲れとか風邪と判断されてしまうことも少なくありません。

今現れている身体的な症状の他にも、憂うつになる、イライラする、無気力になる、といったような症状も併せて見られる場合は、その旨もしっかり医師に伝えてみてください。

また、こうした身体的な症状が主に現れるうつ病のタイプに「仮面うつ病」があります。

仮面うつ病は、身体がだるくて重い、頭痛やめまいがする、胃が痛くなる、ひどい肩こりに悩んでいる、食欲や性欲がなくなる、便秘や下痢の症状があるなど、身体的な症状が主に見られることが特徴となっているうつ病です。

従来のうつ病の症状でも身体的な症状は現われるものの、精神的な症状の方が目立っていることが特徴的でしたが、仮面うつ病の場合は身体に症状が見られる場合がほとんどであるため、内科などを受診しても医師からは「疲れているみたいですね」と診断されるだけ、ということも少なくありません。

仮面うつ病は周囲から非常に分かりにくく、患者本人もうつ病と気付いていないケースが多いのですが、内科を受診しても症状の原因が見つからないような場合は、心療内科や精神科の受診をおすすめします。

行動することさえできなくなる重度のうつ病、医師の元で適切な治療を

精神疾患には様々な症状があり、人それぞれ現われる症状も異なっています。これはうつ病だけを見ても同じで、うつ病の症状にも軽い場合と重い場合とがあるため、症状の程度に合った治療を行なうことが必要となります。

特に重度のうつ病となると、しっかり治療を行なわなければ命に関わる危険性も考えられるため、医師の元で適切な治療を受けることが大切です。ここでは重度のうつ病の場合に現われる症状について詳しく見ていくことにしましょう。

うつ病を発症すると憂うつな気分になったり、不安な気分になったり、イライラしたり、感情が不安定になってしまいます。

その他にも身体のだるさを感じる、夜眠れなくなる、朝起きるのが辛い、食欲がなくなる、何事に対しても無気力になるなどの症状が現われるようになるため、ひどい場合は動くことさえもできなくなってしまうことがあります。

重度のうつ病の症状にリストカットなどの自傷行為が挙げられますが、自傷行為に走るような場合はまだ行動力があると見られるので、重度のうつ病の中では症状は軽い方だと考えられています。

うつ病全体として見れば症状はかなり進行してしまっている状態ですが、うつ病は悪化すると何事に対しても行動することができなくなってしまう病気です。

例えそれが自傷行為だとしても、行動できている状態であれば薬を服用することによってうつ状態から抜け出していくことも可能です。

しかし、食欲がなく何も食べなくなる、水分さえも摂れなくなる、イライラ感が強く現れている、自殺をしたいと思うようになるなどの症状が現れているような場合は、すぐに入院して治療を受けることが必要です。

重度のうつ病の場合は入院して治療を受けることがほとんどですので、このような症状が現れているような場合はすぐに入院させるようにしましょう。

また、自傷行為と自殺は全く別の目的を持っているものなので、患者の周囲にいる皆さんはその点についてよく理解しておく必要があります。

自傷行為に走る気持ちや自殺をしたいと思う気持ちを理解するというよりも、その違いについての理解です。

自傷行為をする時は自分のことを傷つけながらも今の状況から助けようとしていること、または精神を安定させるため・記憶をショートカットしたいがために傷つけていること、自殺をしたいと思う時は死にたいということしか考えられなくなってしまうということ、といったように違う目的を持っているのだということを理解してあげてください。

もし自傷行為を繰り返しているようであれば、患者自身の考え方をゆっくり変えていく必要がありますし、もし自殺を図る行動に出てしまった時は皆さん自身が全力で自殺を止める必要があります。

重度のうつ病の場合は患者だけの力ではどうすることもできません。医師、そして家族や友達、恋人など周りにいる皆さんの協力が必要なので、医師とよく話し合いながら一緒に治療を続けていきましょう。

子育ての不安感からうつ状態に、うつ病になりやすい妊娠中や出産後

女性にとって妊娠や出産はとても心がウキウキする嬉しい出来事ですよね。新しい命が生まれる、新しい家族が増える、お母さんになる、といった歓びも日を追うごとに大きくなっていくものです。

しかし、こうした嬉しい出来事がきっかけでうつ病になってしまうケースもあるため注意が必要です。うつ病は誰しも発症する危険性がある病気ですが、妊娠中の出産を控えた時期は、非常にうつ病を発症しやすい状態となっています。

また、出産後もうつ状態になりやすいため、妊娠中の時期から心理状態の変化についてはしっかり見ておくことが大切です。妊娠中から出産後にかけての時期は、環境が変わって心境も変化していく時期です。

この変化を楽しむことができるような人はうつ病にはなりにくいのですが、変化に対して強い不安を感じてしまう場合は、うつ状態を引き起こしやすい傾向が見られています。

うつ病自体、性格や環境の変化、ストレスといった事柄が関わっている病気であるため、妊娠や出産の時期には、いつも以上にストレスを溜めないようにすること、自分自身の精神が安定する過ごしやすい環境にいること、性格が真面目すぎる場合はちょっとだけ気を抜くことなど、少しでも気持ちが楽になれるように心がけていくようにしましょう。

良い環境で出産できるよう、旦那さんや家族にも十分に協力してもらってください。

また、出産後にうつ病になりやすい人は、子育てに対する不安感が他の人よりも大きいことが特徴として挙げられます。

私でも赤ちゃんを育てることができるのか、といった不安を感じることは誰にでもあるものですが、赤ちゃんを見てもかわいいと思えないとか、赤ちゃんの世話をするのが面倒で億劫に感じるとか、赤ちゃんに対してネガティブな感情ばかりを抱いてしまい、実際に赤ちゃんの世話をすることができなくなってしまうような場合は、すぐに医師に診てもらうことをおすすめします。

こうしたうつ状態に陥ってしまう人は真面目な性格の人が多く、子育ては大変なものだからしょうがない、と思いながらも、自分の辛さや苦しみを誰にも話さず抱え込んでしまう傾向が強く見られています。

子育てに協力してくれるような人が周りにいない場合にもうつ状態が起こりやすいので、家族の皆さんも注意してあげてください。

症状を放っておくとさらに不安は増幅されて、赤ちゃんをしっかり育てられないのは私のせい、私は母親として失格、病院に行って薬を飲んだら赤ちゃんにも影響が出てしまうなどと考えるようにもなり、うつ状態も悪化してしまいます。

うつ病は知らない間に進行してしまう病気ですし、一度良くなっても再発しやすい病気でもあります。

もしうつ状態が落ち着いていたとしても、治療を受けていない場合はいつ再発してもおかしくない状態です。まずはお母さんが元気でいることが赤ちゃんにとっては嬉しいことなので、自分が健康でいるためにも早めに医師に相談してみましょう。

パニック障害や摂食障害など、他の精神疾患をうつ病と併発する恐れ

症状が単独で現れる場合ももちろんありますが、うつ病は他の精神疾患と併発しやすい病気であることが特徴的です。ここでは、うつ病と併発しやすい精神疾患について見ていくことにしましょう。

精神疾患には様々な症状がありますが、主にパニック発作を引き起こす「パニック障害」は、うつ病との併発率が非常に高いとされています。

パニック発作はいつ引き起こるか分からない発作で、動悸、不安感、手足の震え、しびれ、冷や汗、ほてり、手足の冷えなどの症状が同時に現れ、さらに「このまま死んでしまうのではないか?」という大きな恐怖感に襲われることが特徴となっています。

発作が引き起こる原因は人それぞれ異なっていますが、大切な人との別れ、過剰なストレス、ショックな出来事などが関わっていることが原因と考えられています。

発作が起きる時や場所も特定性がないため、外出先でいきなりパニック発作が起きてしまうことも少なくありません。その時の発作の恐怖によって、外出することが怖くなる、人に会うことが怖くなる、といったことから「また発作が起きたらどうしよう」という予期不安に繋がり、パニック障害を発症してしまうケースが多く見られています。

パニック発作が一度起きただけではパニック障害とは呼びませんが、ある状況の時に必ずといって良いほど不安感や恐怖感に苛まれ、発作が起きてしまう、という場合はパニック障害と診断されます。

また、このパニック障害の症状が長期的に続くと、うつ状態に陥ってしまうことも珍しくありません。パニック障害からうつ病を発症してしまうケースは多く見られていますので、まずはパニック障害自体の治療を適切に行なっていく必要があります。

反対に、うつ病の状態からパニック発作を引き起こすこともあるため、その場合もうつ病の治療をしっかり受けることでパニック障害との併発を防ぐことができるようになります。

うつ病もパニック障害も治療をすることで症状を和らげていくことができますから、まずは医師に相談し、適切な治療を受けることから始めていきましょう。

そしてパニック障害以外には、拒食や過食などの症状が現われる「摂食障害」もうつ病と併発しやすい病気となっています。

摂食障害は過激なダイエットや大きなストレスが原因で発症する精神疾患ですが、うつ病の状態から摂食障害を発症することも多く見られているので注意が必要です。

うつ病を発症すると何に対しても興味が持てなくなり、行動する気力が起こらなくなります。これが食べることに対してとなると、食欲がなくなり、何かを食べる気力にさえ繋がらなくなってしまうのです。

反対に過食に走るケースもあるので、それぞれに現れている症状を見て治療を行なっていくことが大切です。

食べることに対して無気力になってしまうと、患者自身はもう何も行動ができなくなってしまっている状態なので、家族や周りの皆さんは早めに医師に相談してください。

うつ状態になってもうつ病ではない?自分だけで判断することは避けて

「これってもしかして病気?」と、ちょっとしたきっかけから思い込んでしまうことは少なくありませんが、これはうつ病にも当てはまります。

皆さんは「擬態うつ病」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?擬態、という言葉にはある事柄に似せるという意味がありますが、まさにうつ病の症状に似せた症状が擬態うつ病の特徴になります。

つまり、偽物のうつ病とうわけですが、擬態うつ病にもうつ状態などの症状が現れています。そこで実際のうつ病だと勘違いしてしまうケースも多く、本当にうつ病を発症しているわけではないのに「私はうつ病なんだ」と思い込んでしまうのです。

初めは「もしかしたらうつ病かも?」と思うことから始まるケースが多いのですが、このようなことはうつ病の発症を早く発見するきっかけにもなるため、自分自身の症状に対するちょっとした疑いが全て悪いこととは言い切れません。うつ病は発症していることに早く気付くことで、回復も早くなります。

しかし、これは本当にうつ病を発症しているケースだけに言えることで、うつ病を発症している人は自分がうつ病であると思っていない場合がほとんどです。

または、うつ病を発症しているかもしれないと思っていても、他人にはあまり話すことができず一人きりで考え込んでしまうような場合が多く、知らない間にうつ状態が進行してしまっていることも少なくありません。

反対に擬態うつ病の場合は「自分はうつ病だから」という言い訳から、他人に甘えたり、他人を頼りすぎていたり、周囲の人達から優しくされたいがために自分がうつ病であることをアピールする傾向が強くあります。

従来型のうつ病は、他人に迷惑をかけるからうつ病であることなんて言えない、と自分自身の心の中に止めておいてしまうことが多いので、うつ病の症状とは正反対であることが擬態うつ病の大きな特徴とも言えます。

しかし、こうした擬態うつ病の症状もある種の精神疾患と考えられることもあるため、症状を放っておくことはできません。近年では、従来型のうつ病と正反対の症状が見られる「新型うつ病」
などの発症率も高くなってきていることから、擬態うつ病もまた違ったタイプの精神疾患として考えられているのです。

擬態うつ病はうつ病と同じような症状が見られているものの、うつ病は発症していないため、抗うつ剤などの薬を使っても効果はありません。

うつ病ではないのですから効果がなくて当然なのですが、今度は薬が効かないことに対する辛さを訴えるようになる場合もあるため、周りにいる人々もその人自身の行動や言動などをよく見ておく必要があります。

また、自分自身で「自分はうつ病である」と決めつけないことも重要なポイントです。うつ病かうつ病でないかは医師による判断に任せ、個人で判断することは避けましょう。

少しでも不安があれば心療内科や精神科を受診して、医師に話を効い聞いてもらうことをおすすめします。

物事に対するこだわりが過剰に現われてしまう「強迫性障害」とうつ病

皆さんは何か物事に対してこだわっていることはありますか?食べ物の食べ方、寝る時の姿勢、お風呂に入った時に身体を洗う順番など、ちょっとしたこだわりから「絶対にやらなければ気が済まない」というこだわりまで様々あることかと思いますが、このこだわりが過剰に現れてしまうのが「強迫性障害」です。

例えば、手をよく洗っていてもまだ汚れている気がして何度も何度も手をあ洗ってしまうとか、掃除をしてもまだゴミが残っている気がして掃除が一向に終わらないといったように、強迫性障害の人は何か一つの物事に対して過剰にこだわってしまう傾向が強く見られています。

また「○○は○○しなければならない」といったように、一つの考え方に捕らわれがちな性格の人も強迫性障害を発症しやすくなっているため、性格の面からも注意していくことが重要となっています。

そして、このような強迫性障害はうつ病との併発率も高くなっていることが特徴として挙げられます。うつ病と発症しやすい精神疾患にはパニック障害や摂食障害がありますが、強迫性障害もまたうつ病と一緒に現われることが多い精神疾患となっています。

うつ病を発症すると憂うつ感や不安感、恐怖感などネガティブな感情がつきまといますが、強迫性障害と併発している場合は、不安感や恐怖感が現われることが多く見られています。

何か物事に対して大きな不安がある、何か行動を起こすことに対して恐怖がある、といったように、不安や恐怖に捕らわれてしまうことで考えることや行動することができなくなってしまうのです。

強迫性障害はうつ病と併発することで、さらに不安感や恐怖感が大きくなってしまうので、どちらの症状もしっかり治療していくことが必要となります。

心療内科や精神科ではうつ病の治療も強迫性障害の治療も行なわれていますので、少しでもおかしいと思ったらまずは医師に相談してみてください。

本人自身が気付いていなくても、周りにいる家族の皆さんなど「最近様子が変わった」とか、変化が見られているようであれば、それとなく話を聞いてみるようにしましょう。

また、うつ病も強迫性障害も脳内物質の「セロトニン」の不足が発症の原因と考えられているため、セロトニンの分泌力を高めていくことによって、症状を和らげていくことが可能となっています。

セロトニンはうつ病や強迫性障害の薬物療法で用いられる「抗うつ薬」でも補うことができますが、普段の生活習慣からでもセロトニンを増やしていくことはできます。

栄養バランスの良い食生活を心がけること、適度な運動を行なうこと、早寝早起きをして朝型の生活を送ること、太陽の光を浴びることなど、実生活の中でセロトニンの働きを高めていくこともできますので、薬物療法に頼るだけではなく、生活リズムを整えて規則正しい毎日を送れるよう心がけていきましょう。

その他にも、認知行動療法によって強迫性障害とうつ病を改善していくこともできます。

ごく一般的なうつ病の症状とうつ病と似ている病気、思い込みは危険

うつ病は気分が塞いだり、憂うつになったり、不安や恐怖を感じたり、ちょっとしたことでイライラしてしまったりと、精神的に不安定になってしまう病気です。

また、食欲がなくなる、眠れなくなる、身体がだるくなる、何もする気が起きず無気力になる、といった身体的な症状も現われることがあるため、一見すると「ただの風邪かな?」とか「ちょっと疲れているだけかも」と感じる場合も少なくありません。

しかし、このような症状が継続して長期的に現れているようであれば、すぐに医師に診てもらいましょう。うつ病は悪化すると何事に対しても無気力になり、まともに動くことさえもできなくなってしまいます。

他の精神疾患との併発も有り得ますし、症状を回復させるためには早めに治療を始めることが重要とされています。

もし自分自身で気付くことがあればもちろんすぐにでも病院に行って診てもらうことが大切ですが、うつ病を発症している人の中には自分自身がうつ病であることに気付いていないケースも多く見られています。

例え本人が「うつ病ではない」と思っていても、実際にはうつ状態に陥ってしまっていることも珍しくありません。うつ病は治療をすることで症状を改善させていくことができる病気です。

周りにいる人の中で、もしかしたらうつ病かもしれない、と感じるような人がいれば、まずは話を聞いてあげることをおすすめします。

すぐに病院に行くことを勧めても、聞いてもらえない場合もあるので、その人自身がどんな思いでいるのか、何でも良いので話を聞いてあげましょう。

ただ話すだけでもうつ状態が楽になることもありますから、最近元気がなく落ち込んでいる状態が続いているような家族や友達がいれば、話を聞いてあげるようにしてください。

また、うつ病は憂うつ感や不安感、イライラ感といった精神的症状が主に現れるのですが、こうした症状が現われる病気の中には「双極性障害」や「自律神経失調症」、「睡眠障害」などの病気も挙げられます。

これらはうつ病と似た病気として知られていますが、実際にはうつ病を発症しているわけではありません。近年、うつ病という病名が世間一般的に知れ渡っていることから、自分で「うつ病かもしれない」と思い込んでしまっている人も多く見られています。

擬態うつ病と呼ばれている症状もありますが、この場合もうつ病ではありません。

うつ病と同じような症状が現れていることだけで「自分はうつ病だ」と判断してしまうことは危険なので、不安な点があれば一度医師によく診てもらうようにしてください。

単なる睡眠障害である場合もありますし、めまいなどの症状が現れているようであれば、自律神経のバランスが崩れていることによって自律神経失調症を発症している場合も考えられます。

うつ状態だけではなく躁状態も引き起こる双極性障害を発症している場合もあるので、まずは心療内科や精神科のある病院を受診することをおすすめします。

うつ病とリストカット「死にたいけれど死にたくない」感情との戦い

「死にたい」という感情は、うつ病を発症するとよく現われるようになります。しかし、リストカットなどの自傷行為は死ぬためにやっているわけではありません。

「死にたいけれど死にたくない」「誰かに助けてほしい」と思うことから自傷行為に走ってしまうことがほとんどです。

また、実際にリストカットで死ぬ確率も非常に低く、約5%と言われています。リストカットをしてもそう簡単に死ぬことはできませんし、リストカットをしている本人自身も死のうとしているとは限らないのです。

では、どうして自傷行為に走ってしまうのでしょうか?自傷行為をすることは人それぞれ理由は異なるものの、精神的な不安定さがそうさせてしまっていると考えられています。

うつ病を発症している場合は特に不安定さが強く、不安になるとリストカットをすることで心を落ち着ける、という行為が癖になってしまい、習慣化されてしまっている場合も珍しくありません。

その中でも特に多く見られている例としては、誰にも必要とされていない不安や寂しさなどの感情から自傷行為に走ってしまうケースが挙げられます。

家族に相手にされない、友達にいじめられている、学校に居場所がない、といった理由から思春期にリストカットを経験する人は少なくありません。

最初はちょっとした気を紛らわせる手段だった自傷行為も、積み重なっていくストレスや不安によって習慣化され、自傷行為をすることが当たり前になってしまうこともあります。

また、うつ病を発症している場合に多いのは、やはり「死にたいけれど死にたくない」とか「今この状況を誰かに助けてほしい」と思う時にリストカットをしてしまう、というケースです。

うつ病という病気は、端から見ると「わがままを言っているだけ」「怠けているだけ」と捉えられてしまうこともあるのですが、これは患者自身の意志ではなく、うつ病という病気がそうさせてしまっているので、患者自身も状態を把握しきれていません。

得体のしれない不安感や恐怖感に押しつぶされそうになった時に、リストカットをして心を落ち着ける、といったように自傷行為は自分を正常に保つための手段であるとも考えられています。

決して自殺をしようとしているわけではなく、自分が生きていることを確かめるという意味を持っている場合もあります。

実際に手首を切って血を見ることで安心感を覚える、という人は多く見られていますし、リストカットをしなければ生きていることを実感できない、と考えてしまう人もいます。

しかし、このままの状態を続けていると心にも身体にも大きな負担がかかります。自傷行為は悪いことではないのですが、繰り返しリストカットをしていると心臓にも影響が現れてしまいます。

まずは心療内科や精神科の医師に相談し、少しずつ回数を減らしていくことが重要です。また、周りの人も自傷行為に対して叱ったり、慌てたりすることなく、冷静に接するようにしましょう。

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