うつ病とリストカット

うつ病とリストカット「死にたいけれど死にたくない」感情との戦い

「死にたい」という感情は、うつ病を発症するとよく現われるようになります。しかし、リストカットなどの自傷行為は死ぬためにやっているわけではありません。

「死にたいけれど死にたくない」「誰かに助けてほしい」と思うことから自傷行為に走ってしまうことがほとんどです。

また、実際にリストカットで死ぬ確率も非常に低く、約5%と言われています。リストカットをしてもそう簡単に死ぬことはできませんし、リストカットをしている本人自身も死のうとしているとは限らないのです。

では、どうして自傷行為に走ってしまうのでしょうか?自傷行為をすることは人それぞれ理由は異なるものの、精神的な不安定さがそうさせてしまっていると考えられています。

うつ病を発症している場合は特に不安定さが強く、不安になるとリストカットをすることで心を落ち着ける、という行為が癖になってしまい、習慣化されてしまっている場合も珍しくありません。

その中でも特に多く見られている例としては、誰にも必要とされていない不安や寂しさなどの感情から自傷行為に走ってしまうケースが挙げられます。

家族に相手にされない、友達にいじめられている、学校に居場所がない、といった理由から思春期にリストカットを経験する人は少なくありません。

最初はちょっとした気を紛らわせる手段だった自傷行為も、積み重なっていくストレスや不安によって習慣化され、自傷行為をすることが当たり前になってしまうこともあります。

また、うつ病を発症している場合に多いのは、やはり「死にたいけれど死にたくない」とか「今この状況を誰かに助けてほしい」と思う時にリストカットをしてしまう、というケースです。

うつ病という病気は、端から見ると「わがままを言っているだけ」「怠けているだけ」と捉えられてしまうこともあるのですが、これは患者自身の意志ではなく、うつ病という病気がそうさせてしまっているので、患者自身も状態を把握しきれていません。

得体のしれない不安感や恐怖感に押しつぶされそうになった時に、リストカットをして心を落ち着ける、といったように自傷行為は自分を正常に保つための手段であるとも考えられています。

決して自殺をしようとしているわけではなく、自分が生きていることを確かめるという意味を持っている場合もあります。

実際に手首を切って血を見ることで安心感を覚える、という人は多く見られていますし、リストカットをしなければ生きていることを実感できない、と考えてしまう人もいます。

しかし、このままの状態を続けていると心にも身体にも大きな負担がかかります。自傷行為は悪いことではないのですが、繰り返しリストカットをしていると心臓にも影響が現れてしまいます。

まずは心療内科や精神科の医師に相談し、少しずつ回数を減らしていくことが重要です。また、周りの人も自傷行為に対して叱ったり、慌てたりすることなく、冷静に接するようにしましょう。