うつ病の完治のために

完治するまでは症状に波があるうつ病、治療の経過を見るためには

一般的な「うつ病」に対するイメージとしてよく考えられているのが「完治はするのか」という問題です。

うつ病はあらゆる精神疾患の中でも様々な症状と併発して起こりやすい病気であることが特徴的で、治療についても薬物療法から認知行動療法などを併合して行なうことで症状を軽くしていくことができます。

もちろん、こうした治療を続けていくことによってうつ病の症状を完治させることも可能なので、まずは症状が現れていることを早期に発見し、治療を始めることが先決です。

薬物療法では抗うつ剤などを使用してうつ状態を落ち着かせ、脳内のセロトニンの濃度を高めることでうつになりにくい状態へ導いていくことができます。

適切に治療を続けていけば回復期に入り、憂うつ感や気分の落ち込みといったうつ病の症状も徐々に和らいでいくため、塞いでいた気分も明るく変化していきます。

しかし、回復期はあくまでもうつ病完治までの通過点です。うつ病は完治するまでに何度も波が現れます。症状が良くなってきたからといって、そこでうつ病を発症する前の生活にすぐ戻れるわけではありませんし、症状が緩和されてきたからもう薬を服用しなくても良い、というわけでもありません。

うつ病を完治させるためには、症状に波があることをよく理解し、完治までの経過を長い目で見ていくことが必要となります。

これはうつ病を発症している患者本人だけではなく、患者の周りにいる家族や友達、恋人などにも言えることですし、職場や学校側の対応としてもよく理解しておかなければならない点です。

うつ病の回復期は人それぞれ異なりますが、正しい治療を受けることで大体3ヶ月前後で症状は落ち着いていきます。回復期に入るとうつ状態が和らぎ、患者自身が自分から「何かやろう」という気持ちになるのですが、そこから今まで通りの生活に戻れるわけではないので、少しずつ生活に慣れていくことが必要となっています。

例えば、患者自身が「仕事に復帰したい」と思うようになったとしても、まだ完全にうつ病が治ったわけではないので、うつ病を発症する前のように働くことはできません。

「働きたい」という気持ちはあっても症状には波が現れてくるため、普段通りに仕事をこなせるまでには至らないことが回復期の現状です。

これは学校でも同様です。「学校に行ってみたい」という気持ちはあっても、朝から夕方まで学校生活を通常どおり送ることは難しいので、患者本人には少しずつ学校生活に慣れていく努力が必要となります。

そして、職場や学校側はうつ病という病気特有の症状の経過をよく見ながら接することが大切なので、うつ病患者に対する理解の他、うつ病治療中の経過についてもよく知っておかなければなりません。

うつ病は非常に再発率が高い病気ですので、例え症状に波があっても患者それぞれのペースで治療を続けていけるよう、周囲にいる皆さんも協力していきましょう。